小選挙区制の魔術とはいえ、自民、公明だけで、議席の3分の2、法案の再議決も憲法改正の発議も可能になった。どこで風が変わったのか。やはり、あの一言だった。「排除」「さらさらございません」。改めて聞いてみると、都民は敏感に感じていた。
「不信感を抱いたのは『排除』という言葉。カチンときました」(60代女性)、「さらさらない、っていう言葉。言葉って大事ですよね」(70代女性)、「ここでこの人終わったなと思った。『排除』って普通は使わない。あれはないなと」(50代女性)、「安倍政権を倒そうとするのに、同志を振り分けるなんて、上から目線じゃないでしょうか。一時応援したけど、がっかり」(80代女性)
小池氏は、時の人になって、言葉もやや上滑りだったのかもしれない。小泉進次郎氏の挑発に簡単に乗ってしまった。小泉氏が「小池さん、衆院に出て欲しい」というのに、「進次郎さんがきゃんきゃん言ってるようですね」と応じたのは、誤算だった。小泉ファンは根強いのだ。
「個人攻撃は評価されない」(60代女性)、「それはマイナス。私好きよ、あの人(進次郎氏)」(60代女性)
小池氏もパリで、「私の言動が皆さんに不快な思いをさせてしまったことは、申し訳ないと思っている」と話したが、時すでに遅しだ。
国分太一(キャスター)「小池さん、パリから戻ったら、全く違う時代になったと感じるんじゃないかしら」
真矢ミキ(キャスター)「数週間前までは、追い風だったのに」
先月(2017年9月)25日、小池百合子・東京都知事が「希望の党」を立ち上げ、民進党がこれに合流を決めた27日までが追い風だった。小池氏は時の人になり、衆院選に出るのかどうかが焦点になった。小池氏はそれを楽しんでいるかに見えた。言葉が滑ったとしか言いようがない。
東京ではわずか1議席の「希望」
結果、先の都議選では、「都民ファーストの会」が席巻した東京で、「希望」はわずか1議席。立憲民主党が4選挙区をとったほかは自民・公明が占めた。ほんの3カ月前である。
総選挙前、その「都民ファースト」を「運営が不透明だ」として離党した音喜多駿・都議は、「希望の党に対して、一時の熱狂ではなく冷静な判断が下されたのは良かった。都民は冷静だった」といった。
龍崎孝氏(流通経済大学教授)は「三日天下」と書いたフリップを出した。結局希望の風は3日しか吹かなかった、というのだ。「排除」「さらさらない」で全てが終わったと。
ここで千原ジュニアが、小池知事と会った時の印象を語り始めた。北野武氏と一緒だったが、「北野さんには立派な五輪のバッジを渡し、僕にはしょぼいバッジをくれた。周りで見ていた連中が、なんや、と怒っていた。冗談なら、逆やろ」という。
堀尾正明アナ「バランス感覚が少し違うのかもしれませんね」
千原はさらに、「エレベーターが閉まるとき、知事が『結婚おめでとう』と言った。純な青年なら感激するところだが、こっちは歪んでるから、『そんなことないやろ』」(爆笑)
東京都知事より、大阪府知事になる方が大変らしい。