選挙の帰趨は、選挙戦最終日の秋葉原が象徴していた。7月(2017年)の都議選で、「帰れ」「辞めろ」コールを浴びて散々だった安倍首相が、22日(2017年10月)は雨の中、同じ場所をリベンジに選んだ。多数の日の丸と「頑張れ安倍総理」の横断幕に囲まれ、「勇気を与えていただきました。ありがとうございます」というあいさつに、「オーッ」と大歓声があがった。
「ビビット」は話題の選挙区を並べて見せたが、トップは「女の戦い」。まずは新潟4区。自民の金子恵美氏(39)vs 元民進の無所属、菊田真紀子氏(47)の一騎打ちだった。
金子氏は、夫の宮崎謙介氏が不倫騒動で衆院議員を辞職した「話題の人」。方や菊田氏は、前回は、金子氏に敗れ、比例復活で議席を確保してきた。しかし今回は無所属で負ければ後がない。
リポーターの上路雪江が2人を追っていた。「当人たちは女の戦いと言われるのを嫌っていたが、街頭では言い合っていて、選挙民には分かりやすい選挙だった」という。投票率も前回より10%近くアップ。結果は、大差で菊田氏が勝った。
もう一つは、北海道11区、自民の中川郁子氏(58)vs 立憲民主党の石川香織氏(33)。中川氏は、故中川昭一氏夫人だが、「路チュウ」スキャンダルで逆風の最中。方や石川氏は、夫の石川知裕・元衆院議員が小沢一郎氏の秘書時代の政治資金規正法違反で有罪になった後を受けての立候補。立憲民主党の追い風で、勝ちをしめた。
一騎打ちは愛知7区でも。不倫騒動で民進党を離党、無所属で立候補した山尾志桜里氏(43)vs 自民の鈴木淳司氏(59)だ。選挙戦の最終日、雪野智世アナが山尾氏に密着した。
山尾氏は「信念をぶれずにやり抜くだけ」と言った。保育園問題の鋭い追及で名を挙げ、民進党幹事長の座を不倫報道で棒に振っていた。罵声も浴びた。しかし、「不倫より、何をやるかだ」という人もいた。
この日も、交差点での演説が10カ所以上。通る車に闇雲に手を振る。住宅街では、人が見えると選挙カーを飛び出し、握手して歩く。4回の選挙で、これほど人と接触したのは初めてだという。最後は名古屋で、時間ギリギリまで訴えた。結果、わずか800票という僅差で山尾氏が勝った。
舛添要一・前東京都知事は、「笑顔がいい。笑顔をどこで見せるかが重要。彼女の場合は、(騒動から)すぐ戦があったのが良かったかもしれない」という。
豊田氏は5位と惨敗
次が埼玉4区。「この、ハゲー」の絶叫で、自民を離党した豊田真由子氏(43)。その最終日に密着したリポーターが、上西小百合・前衆院議員(34)には驚いた。お騒がせでは引けをとらない人だ。すっかりその気になってリポートはいいが、すっかり主役気取り。最後に、雨の中2人が握手するシーンが撮れていたが、豊田氏は5位と惨敗だった。
埼玉に詳しい堀尾正明アナが、「自民公認ならね」という。豊田氏が抜けた後を継いだ形の穂坂泰氏は7万4000票で当選。豊田氏は2万1000票だった。希望が5万、共産が2万9000、日本維新が2万3000を取っている。
国分太一「やっぱり暴言ですね。このハゲー」
舛添氏「いや僕もハゲだけど(笑)。この選挙区、今回選挙を象徴している」
まさに悲喜こもごもだが、バラエティー調の全面展開は見ていて疲れる。