台風21号が週明けにかけて日本列島を直撃する可能性が高まってきた。最新情報では、24日(2017年10月)未明にも関東に上陸する恐れも予想されている。
『とくダネ!』の気象予報士、天達武史によると、10月台風は過去の例から甚大な被害をもたらす恐れがあり、注意を呼び掛けている。
過去に最も被害が大きかったのは、13年前の2004年10月の台風23号だ。高知県土佐清水市付近に上陸し、西日本を中心に猛威を振るい死者95人を出した。
京都府舞鶴市では街全体が冠水し、立ち往生した観光バスの屋根の上に乗客37人が取り残されたのはまだ記憶に生々しい。
8年前の09年10月の台風18号は、知多半島に上陸し日本列島を縦断、死者5人を出している。
さらに4年前の13年10月の台風26号は、本州には上陸しなかったが、東京・伊豆大島に記録的な豪雨をもたらし土砂崩れが発生。集落がのみこまれ死者36人を出している。このときは関東地方にも豪雨をもたらし、農作物に甚大な被害が出た。
秋雨前線とのダブルパンチ
なぜ10月台風は被害が拡大するのか?
天達予報士は、日本列島に接近すると急速にスピードを上げるのと秋雨前線とのダブルパンチの2点を挙げている。
現在、21号台風は南の太平洋上をゆっくり北上しているが、日本列島に接近すると上空を吹いているジェット気流に乗って急速に速度を上げ、対応する暇を与えずいきなり日本列島を駆け抜ける恐れがあるという。
しかも、秋雨前線が日本列島に停滞中で、台風が接近する前から秋雨前線を刺激し大雨をもたらし、さらに台風本体の豪雨で土砂崩れなどの被害をもたらす恐れがある。
10月は農作物や果実の収穫の秋。気象庁は、秋雨前線停滞による日照不足と長雨で農作物への被害に注意するよう呼びかけているが、そこへ台風21号が直撃すれば甚大な被害をもたらすことが予想される。