チョウザメに噛まれたい。北海道東部の標津サーモン科学館にそんなお客さんが押しかけている。チョウザメに指を噛まれるというユニークな体験だ。「指パク」という名前で売り出している。
水槽を泳いでいるチョウザメの大きな口に指を入れる。「怖いっ」と思わず手を引くが、噛まれてもひとつも痛くない。チョウザメは名前と違ってサメの仲間ではない。歯もはえていない。尻ごみしている小学生の女の子に館長の市村政樹さんが「オジサンの指と一緒に噛まれよう」と人差し指を入れると、ようやく笑顔が出た。
入館者がた減りで「さかな使って何か面白いことないかな」
サーモン科学館は1991年にオープンしたが、メインのサーモンは年に数か月しか展示できないので、入館者は減るばかりだった。市村さんは「なにか独自性のある展示ができないかとずっと考えていました」
生まれたばかりのチョウザメを見てひらめいた。「指を入れると、パクパクとかじることが分かったのです。歯がないことは最初から知っていましたので、これは面白いと思いました」
だが、チョウザメはもともと水の底にあるエサを食べる魚だ。浮いているエサを食べるようにしつけるのに時間が必要だったという。
腕を飲み込む「腕がぶ」も体験できます
「指パク」をヒントにさらに迫力あるイベントを考え出した。体長2メートルの大物チョウザメの口の中に、指ではなく腕そのものを入れるのだ。館長がやってみると、お客さんたちは「わあー」「びっくりした。手が入っちゃうじゃないかと思いました」「水面にあんな大きな顔が出て来て」と大満足だ。こちらは「腕がぶ」と名付けた。
宇賀なつみキャスター「腕がぶには驚きました。怖いですよ」
司会の羽鳥慎一「指パクとは違いました。やっぱり、こういうものはアイデアですね」