秋の味覚の王様、マツタケに異変!? 国産が採れない。マツタケ農家が「40年も50年も採ってるけど、こんな不作は初めて」というほど採れない。当然だが、東京の市場では、前年の約3倍の値段になった。高嶺の花がさらに高嶺に。一体どうしたこと?
マツタケの名所、岩手県岩泉町の龍泉洞の産直小屋も、入荷がないので閉まったまま。観光会館の売り物、松茸御膳3780円も、「予約ストップ」だ。8月には、例年通り岩泉松茸神社で豊作祈願祭が行われたのだったが、お利益は全くなし。
マツタケ農家の昆忠泰さん(79)について、カメラが山に入った。だが、「普段はこの辺にあるんだよ」というところに、全くない。赤荻歩アナが「なんで?」と聞いたが、「誰にもわからない。マツタケに聞いてよ」。結局1時間半以上歩いて、収穫はゼロだった。
この山を7年前に撮った映像があった。大きく傘を開いたマツタケがびっしりと並んでいた。この年は「例年の5倍くらい」という大豊作だった。それが今年は、「1日入って、0本とか1本だから」と昆さん。
長野・豊岡村では毎年、山を区分して入札で所有者を決定している。今年150万円で2カ所を落札した松下敏文さん(62)は、歩いても歩いても「ないね」と絶望的だった。かろうじて何本かを持ち込んだ女性も、「今年は山が静かです」という。
卸値、国産は1キロ8万円
東京の青果市場での国産マツタケの卸値は、今月の平均がキロあたり約8万円。昨年は約2万4000円だったから、約3倍だ。都内のスーパーに、あることはあったが、中国産だった。「アキダイ」代表の秋葉弘道さんは、「店を初めて26年だけど、初めて国産のマツタケを仕入れない年になりそうだ」という。
マツタケが売りの赤坂の料亭松葉屋も「全く手に入りません。(客から)お電話は頂くのですが、高騰しておりますので、諦めてしまうケースが多い」という。コース料理のマツタケを国産にすると、値段は倍近くになる。
なぜ採れないのか。微生物生態学者の吉村文彦氏は、「今年は変な年で、(岩手県は)8月が長雨で低温、日照不足。マツタケに日照不足は痛いんです」という。
マツタケは、4~7月に菌糸が木の根について、8月に最も成長する。そして9月に入って地温が19度まで下がると地上に顔を出し、10月に見慣れた形になる。
ところが今年は8月に長雨、低温、日照不足で、1カ月早く地上に出てきてしまった。つまり今はもう菌糸がない状態。早く顔を出したものも、成長不足で細い、ふにゃふにゃなど品質が悪かったということらしい。
司会の国分太一「不作だというけど、映像が出てくると食べたくなる」(笑)
都内のスーパーの値段を並べて見せた。
A店では国産なし。アメリカ産が2本で2580円~4800円。中国産2580円。
B店では、山口県産の10センチもの、6本で9万7200円。
C店では、岩手県産の約20センチもの3本で、9万8000円(例年の3倍)。
国産の値段が出た途端に、スタジオは「エーッ」。みんなして、「1本1万5000円......」「3万円だ」と計算を始めた。
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