『このハゲー』の罵声で突如、脚光を浴びることになった豊田真由子候補(43)の地元埼玉4区。自民党を離党し無所属で立候補することになった豊田候補のほか新人4人が立候補する激戦区になった。
『とくダネ!』が体育の日を入れた3連休に5人の候補者を追ったが、そこには踏み絵を踏んで希望の党に入ったものの節を曲げることに戸惑う民進党系の県議もいた。
埼玉4区は、行政区域は朝霞、志木、和光、新座の4市を含む東京のベッドタウン。好天が続いた3連休とあって市主催の体育会や子どもたちの運動会で賑わった。
その一つで白紙状態からやり直しますという意思表示なのか、真っ白の上下の服でひたすらビラを配るのは豊田候補。テレビの影響か集まってくるのは子どもが多い。
そこへ自民党公認を得た穂坂泰候補(43)も現れビラ配り。豊田候補の存在に気付いた関係者が鉢合わせしないように気を使う。穂坂候補は志木市義から初の国政への転出を狙う。
希望の党の吉田芳朝候補(43)は、ポスターには上田きよし埼玉県知事とのツーショットの写真を使っている。
「これは純粋に間に合わなかっただけなんです」と言い訳をした後で、「小池代表が(埼玉4区に)登場することはあると思いますが、私は一人だけのポスターでいきたい」と微妙な心境をのぞかせた。番組が行ったアンケートにも消費税増税には反対と答えたものの憲法改正には無回答だった。
吉田候補は埼玉県議を4期務め当初は民進党から出馬する予定だった。それを希望の党に変えたのは「自民一強を何とか止めたいのと、政権交代で来るような政治勢力をつくるという上では希望の党でやっていった方が良いと考えた」という。
埼玉4区にはこのほか、日本維新の会から元国連職員の青柳仁士候補(38)、共産党からは新座市義を10期、37年勤めた朝賀英義候補(68)立候補する。
党より個人見極めて
小倉キャスターは「小池さんから排除されなかった人は憲法改正について踏み絵を踏んで良しとされた人。にもかかわらず無回答ってアリなんですかね」。
ゲスト出演の政治アナリスト、伊藤惇夫氏はこう指摘した。
「政策協定書にサインしているはずなんですが、これまで訴えてきたことや政治信条との折り合いをつけるのに悩んでいるのでしょう。正直に言っているのだと思う。これまでの選挙は党のイメージや党首の人気で選び個人をあまり見てこない傾向があった。今回は、個人を見極めて投票することが有権者に求められている」
小池新党立ち上げに事実上の民進党解体で、これまでにない分かり難い選挙になった。保守と野党が鮮明になったという人もいるが、党より人、一時的な旋風では選べないのが今回の選挙だ。