近づく総選挙の「台風の目」になっている「希望の党」代表の小池百合子・東京都知事に、違う風が吹き始めた。側近だった都議が離反したのを皮切りに、民進党議員からは「公認返上」、さらには、築地の女将からも「無責任」と言われるように。元をたどると、小池氏自身の生き方に辿りつくようだ。
小池氏は昨日(2017年10月4日)、立党の趣旨を「安倍政権にはできないことを訴えていく」といった。「お友達、忖度政治がいいのか」。これに安倍首相は、「当選するために右往左往している」と応酬。だが、立憲民主党を立ち上げた枝野幸男氏が、「国会で数があるからなんでも好き勝手をやっていい。それは民主主義ではありません」というのに大きな拍手がわいていた。街頭では珍しいことだ。
希望の党は昨日、第2次公認を発表して199人になった。だが、民進党の篠原孝氏はこの日、希望の党の公認を辞退した。希望の党が迫った政策協定書への署名を拒否したことを明かした。協定書には「安保政策を支持」「憲法改正を支持」「党に資金提供」などとあった。これが公認の条件だ。
篠原氏は、「選挙は希望の党なら楽ちんだが、あんなもの出すわけにはいかない。排除というのは絶対あってはいけないこと。度が過ぎる」と言った。同様に道休誠一郎氏も公認を辞退した。
しめつけ厳しかった「都民ファーストの会」
お膝元の都議会でも、音喜多駿氏と上田玲子氏が、「都民ファーストの会」からの離党を表明した。小池氏を知事選段階から支え、ほとんどの都議が姿を見せなかった中、初登庁の小池氏を玄関前で出迎えた2人だ。知事も都議選で「ファースト・ペンギン(荒海に飛び込む勇気ある最初のペンギン)」と称えていたのだが......
その音喜多氏の事務所では、小池氏とのツーショットのポスターを撤去していた。「言論規制があった。総会で、『おかしい』と発言すると、役員に呼び出されて、『ああいう発言はするな』と」という。
もう1人の上田氏も、「ファースト・ペンギンと飲んじゃダメとか、側聞する。女性週刊誌の取材を受けたら、『勝手にやるな』とか」と言った。音喜多氏は「ビビット」への出演が多かったが、これも止められ、7月3日以降なかった。
国分太一が「そんなになりますか」と驚く。
また、7月に毎日新聞が都議に、「安倍政権アンケート」をした際、「都民ファーストの会」は、55人中50人が無回答。理由を「都政に専念するため」と党本部の指示通りを書いていた。当時の野田数代表は、「本部が把握するのは民間企業なら当然」と言っていた。
これはひどい。そんな政党誰が取材するか。「都民ファースト」の話が記事にならないのはそのためだったわけだ。
さらに、築地市場の仲卸業者の妻たちで作る「築地の女将の会」が昨日、築地移転問題で小池氏に反論した。6月に知事が出した「築地は守る。豊洲は活かす」という方針に異を唱え、8月に再考を求める質問状を送ったが、知事からは回答がなかった。昨日再度要請文書を提出したことを明らかにしたのだったが、「国政に出るとは、まったく無責任。憤りを感じています」と、言葉はきつかった。
また、党の公認をめぐっては、民進党の前原誠司代表は、「小池さんが出られるのか。首班指名の候補がいないと、政権選択の選挙はできない」と小池氏の出馬を促した。小池氏と前原氏は今日、会談するという。
立憲民主党はツイッターを立ち上げたが、わずか1日でフォロワーが109,502人になった。対して希望の党のツイッターではフォロワーは、3664人だ。
堀尾正明アナ「都民ファーストを見ると、希望の党でも同じようなことが起こるのではないかという懸念がある」
有馬晴海氏(政治評論家)「協定にも『批判はしない』というのがあった」「音喜多氏ら2人は2回生、他の議員は全員1回生なのだが、代表になったのは、小池氏の秘書を6年勤めた人になった。そこで......ギクシャク」
テリー伊藤「小池さんが都議会議員をなめていたということは?」
有馬氏「(小池氏が)自分の力で当選したんだから、言うことを聞いてくれると思っていた節はある。が、音喜多さんは一度自分で当選してるし、今回は4万票くらい上乗せしてる」
国分「音喜多氏の離党は、小池さんも予測できなかった」
テリー「音喜多さんは、小池さんがずっと都政をやると思っていた。その考えは甘い。彼女はもっと先を見ていた」
話はまた、小池さんが衆院選に出るのかどうかに。有馬氏はまたも「50%」だった。「ずるい」とテリー。
今朝の朝日新聞が伝えた小池氏への期待度は、34%。前回の45%から落ちた。逆に、「期待しない」は、39%から50%になった。