福岡の中学校で昨日(2017年10月3日)、生徒が教師に暴力を振るう事態が発生。ところが教師がその場で生徒を現行犯逮捕した。福岡では先日も博多の高校で、生徒が教師を蹴る様が動画で流れ、警察が生徒を逮捕する騒動があったばかり。今回の教師は毅然としていたということだが、「逮捕?」に驚く声も。
事件があったのは、田川市の中学校。男子生徒(14)が男性教師(46)の顔を数回殴ったため、教師は生徒を「常人逮捕」(傷害容疑)して、警察に引き渡した。生徒は、殴ったことは認めたが、「一回しか殴ってない」と言っているという。なぜそういう事態になったのかはわからない。福岡は一体どうなってる?
「ビビット」はそれよりも、「常人逮捕」に目を向けた。「警察官ではない教師が、なぜ逮捕できる?」というわけだ。番組担当者が本当に知らなかったのか、それとも啓蒙のためなのか。
常人逮捕は「現行犯逮捕」のことで、暴力や盗みなどの現場なら、誰でも逮捕できる。通り魔やひったくり、暴行などの現場、また、逃げて行った先でも現行犯になる。これ常識。しかし、「ビビット」のスタジオでは誰も知らなかったらしい。
現行犯なら誰でもできる
吉田明世アナが刑事訴訟法を解説。同法213条の「現行犯人は何人でも逮捕状なくしてこれを逮捕することができる」を示した。法律用語では「常人逮捕」。普通は現行犯と呼ばれていると。
国分太一「教師が生徒を逮捕する。昔からあるんですか?」
弁護士の三輪記子はもちろん知っていたが、「私も勉強した時に初めて知ったんですけど」という。
堀尾正明「逆に先生が暴力なら、生徒が逮捕もできる?」
三輪「できます」
堀尾「成年、未成年は関係ない?」
三輪「はい。逮捕の大原則は、逮捕令状が発布されてからなんですが、現行犯だからということです」
国分「じゃあ、こういう場合以外でもあるということ?」
三輪が「常人逮捕」の実例をあげた。
▼今年6月、群馬・高崎市のスーパーで、男が女性のスカートの中を盗撮したのを、従業員が見つけ逮捕した。
▼2014年の12月、千葉市で賽銭箱からお賽銭を盗んだ男を宮司さんが逮捕。
▼2016年4月、京都府のゴルフ場に男が侵入して勝手に練習していたのを、経営者が逮捕した。
中田敦彦(お笑い芸人)「手続きとしては、逮捕しますよと言って......」
三輪「手続きまでは決まっていない。ただ、逮捕した後は必ず警察に引き渡さないといけない」
中田「110番して連絡して」
国分「証拠が難しくないんですか」
三輪「現行犯ですから、犯罪を見たということ。誤認逮捕の確率は低い」
堀尾「電車の痴漢も?」
三輪「ありえます。これは刑事手続なので民事の損害賠償とは別」
生徒の暴力には防御の防衛もあり、通り魔には反撃してもいいはず。日本は平和ということかな。欧米では、もう少し自己防衛、逮捕に前向きだ。