動画拡散して警察が動き、生徒を逮捕 暴行受けた教師は学校にも届けず

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   授業中の教壇で生徒が先生を蹴飛ばし胸倉を掴んで殴るシーンの動画が投稿されネット上で拡散された。学校側が気づかないうちに一般からの通報で警察が動き、この生徒(16)は傷害容疑で逮捕された。

   事件が起きたのは、福岡市内の私立高校。28日(2017年9月)午後の社会科の授業中、生徒が禁止されているタブレット端末を操作していたため先生が取り上げたことで始まった。

   投稿された動画によると、教壇で先生よりも背の高い生徒が背後から先生の足を2度ほど蹴った後、他の生徒が「先生、そろそろ返さないと殴られる」と叫んだ瞬間、生徒が先生の腰部を強く蹴飛ばし先生は前につんのめる。さらに生徒は先生の胸倉をつかみ殴りかかった。

タブレットを没収したのがきっかけ

   副校長によると、先生は2度にわたりタブレット操作を止めるように注意したが止めないので没収したところ、生徒が激高し暴力に及んだという。暴行は43秒間続いたが、先生は無抵抗を通し暴行されるままにしていた。

   この先生は今年(2017年)4月に新任講師として赴任してきたばかり。年齢が23歳と若く少しおっとりしていて、生徒にとって話しやすい先生だという。その先生は「逮捕された生徒への指導を時間かけても続けたい」と話している。

   一方、生徒は警察の取り調べに対し「僕だけ注意されるのに腹が立った」と話しているという。

   問題は二つ。一つは、体罰が否定されている先生が生徒の暴力に耐え忍んだままで先生としての体面が保てるのか。最初に足を蹴った段階で他の先生を呼び生徒の暴力を止めさせるなど指導はできなかったか。

   もう一つは、生徒の暴力に対する学校側の対応。暴行被害を受けた先生は、上司に報告しなかったらしい。事件が発覚したのは、他の生徒が暴行シーンを撮影しネットに投稿、それを見た一般から警察に通報があって分かった。

 

   副校長によると、「警察からの連絡で初めて知り先生と生徒に聞き取り調査をしたところ、足を蹴られたところや背中に軽いあざができたということで一線を越えた暴行と判断し被害届を出した」と話す。

 

   作家の橋口いくよは「情報の出方が悲しい。校内で解決せずに動画で拡散され、なんとも気持ちの悪い伝わり方をした。このところに今の教育の空気の不気味なものが含まれているかなと思う」。

 

   小倉智昭キャスターは「しかも学校がそれに気づかずに先に警察が動いたところも気持ち悪い。教育って子どもをどうやって成長させるかが第一と思うが、逮捕されてしまっては元も子もないっていう感じですね」。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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