最後の勝負に出た小池百合子都知事 民進党を糾合して政権ねらう

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   予想通り、9月25日(2017年)に小池百合子都知事が「希望の党」を立ち上げ、衆院選に候補者を出すと発表した。

   機を見るに敏な女性だ。「すごい勝負勘と度胸だ。神がかった政局観だと思う」(民進党から除籍処分を受けた木内孝胤・前衆院議員=朝日新聞9月28日付より)と絶賛する声もあるが、週刊文春によると、新党に集まった顔ぶれは政治的スタンスはバラバラ、共通点は選挙に弱いというだけで、「永田町では、早くも『まるでがらくた市』『掃き溜めだ』と揶揄する声も上がる」が、65歳という年齢を考えて"最後の勝負"に出たに違いない。

   小池は総理の座を手に入れるためには、何でもありだ。国政は任せるといっていた盟友・若狭勝さえ、ここが勝負と見たら非情に切って捨てる。

   「もともと小池さんは若狭さんについては、『都知事選で最初から支持してくれた恩があるだけ』と、あまりあてにしていなかった」(民進党議員)。若狭らとは別に水面下で動き、態勢が整ったから会見に踏み切ったというのだ。

   この新党に対して、前原民進党代表は、小沢一郎と進めていた民自連合を反故にして、民進党としての公認を出さずに小池新党である「希望の党」公認で戦う方針を決めたのである。

   実質、民進党解体だ。アッと驚くタメゴロー的大転換だが、週刊文春によれば、若狭、細野豪志では党勢拡大できないと小池は考えていて、「そのため、小池氏は、全国に組織がある民進党を選んだ。民進党側も、左派など一部の議員を下す方向で話を進めています」(先の民進党議員)

似た者同士の小池と安倍

   私は、小池と安倍は似た者同士だと思っている。安倍はキャッチフレーズを次々に繰り出し、目先を変えれば国民は前のことを忘れてくれるというのが安倍流である。思い付きのキャッチフレーズだけを振りかざして、ここまでやってきた。

   小池も同じである。都知事当選後、豊洲移転、情報公開、関東大震災時の朝鮮人虐殺への考え方などで批判を受けると、今度は国政へと、都民や国民の関心をそらせる。

   希望などないのに「希望の党」などと命名して、自分ファーストと代表に名乗り出た。

   彼女は新党を「改革保守」と位置付ける。

   「改革の精神のベースにあるのが、伝統や文化や日本の心を守っていく、そんな保守の精神」と語っているが「なんのこっちゃ」である。めちゃくちゃ保守やないか。

   憲法改正はもちろんのこと、「靖国参拝に異論はない」と都議会でもいっているように、小池は安倍的なものを色濃く持っている政治家である。

   小池は都知事を捨てて衆院選に出るという見方がある。国会議員でなければ総理になれないからである。

   安倍自民が今度の衆院選でかなり議席を減らすことは間違いないだろう。そうなれば安倍退陣、自民と希望が連立を組むということもあり得る。これに公明、維新の会などが結集すれば、巨大な保守勢力が出現し、共産党以外の野党は消えてなくなる。

   考え出すと夜も眠れない。とりあえず目をつぶって腐敗しきった安倍政権を倒す。その先のことは、選挙が終わってから考えようではないか。

ロシアに接近する北朝鮮

   安倍首相が選挙の争点の一つとしている米朝関係はどうなっていくのだろう。もしトランプが本気で北朝鮮を潰しにかかったら、金正恩はどうするのか。週刊現代で、近藤大介編集次長と中村逸郎つくば大学教授が対談している。

   2人が一致しているのは、金正恩が逃げる先は中国ではなく、プーチンロシア大統領の懐だということだ。

   中村にいわせると、北朝鮮の水爆実験の5日前に、ロシア政府がロシアと北朝鮮の国境付近の「ハサン村」の住民約1500人に突然、避難命令を出しているという。

   中国には事前通告さえなかったというのにである。

   それに、北朝鮮の核開発を助けているのはウラジオストックに本社がある「ロシア極東山岳建設」という会社で、元はソ連の国土交通省の一組織だったという。

   この会社は、ロシアー北朝鮮間の鉄道建設も請け負っているそうだ。

   羅先―ハサンの54キロだが、ここは計画から建設まで7年もかかった。それは、「おそらく鉄路の地下に、有事の際、金正恩一族が亡命するためのトンネルを建設したのだと思います」(中村)

   そのために、すでにロシア保安庁(旧KGB)の特殊部隊が、金ファミリーのボディガードを務めているというのだ。

   行く先は北極海に浮かぶ群島・スヴァールバル諸島だそうだ。中国の習近平は北朝鮮に対してほとんど力を行使できないようである。

   トランプが北朝鮮制裁に本気なら、話し合うべき相手はプーチンだろう。だが、プーチンに怯え、秘密を握られているトランプは何もいえない。安倍しかりである。

   トランプの北朝鮮政策は、行き詰まっているというべきであろう。油断はできないが。

電撃引退が大きな話題に

   ところでアムラーこと安室奈美恵(40)の電撃引退が大きな話題になっている。誕生日の9月20日、公式サイトで1年後に引退することを発表した。

   安室を知らない私のような読者のために週刊朝日から彼女の経歴を紹介しよう。

   「沖縄出身の安室は1992年にダンスグループ『SUPER MONKEY'S』(スーパーモンキーズ)の一員としてメジャーデビューし、その後ソロになって大ブレイク。

   『小室サウンド』と呼ばれた小室哲哉プロデュースの音楽のブームにも乗り、ミリオンヒットシングルは5作品を数える」

   朝日でコラムニストの中森明夫はこういう。

   「彼女の大活躍によって、沖縄から多くのスターが生まれました。同じ沖縄アクターズスクールから出たSPEEDはもちろん、仲間由紀恵さんや満島ひかりさんなどの活躍も、安室さんがいなければなかったのではないでしょうか。(中略)

   キャンディーズが人気絶頂時に『普通の女の子に戻りたい』と言って解散し、山口百恵さんが結婚を機にすっぱり引退した。でも安室さんは20歳で結婚して母親になりましたが、引退せず"アイドル"という枠組みから"アーティスト"へと変貌して帰ってきたんです」

   1年の休業を経て復帰しても人気は衰えなかった。

   だが、私には、安室はアイドルとしての華やかな面よりも、悲劇の女というイメージが強い。

   20歳で15歳年上のダンサーSAMとのできちゃった婚。子供をもうけたその直後に悲劇が彼女を襲う。母親が再婚した夫の弟の車によって轢き殺されてしまうのだ。

   「当時は安室の収入で、辰信・恵美子夫妻の生活も潤っていた。それを間近で見ていた弟が、逆恨みして、犯行に及んだんです。昼間、車で待ち伏せしていた弟が、道の真ん中にいた恵美子さんに猛スピードでぶつかり、さらに引き返して轢いた。弟はそのまま車で走り去り、間もなく自殺しました」(芸能ジャーナリスト・二田一比古=週刊文春)

   その後SAMと離婚し、NHKの紅白などの出演も控えるようになる。

   そして、親代わりだったライジングプロ・平哲夫社長に、「奴隷契約だからやめたい。独立したい」といい出し、14年には個人事務所を立ち上げる。

   離婚後、1人で子供を育て、その子供はもうすぐ20歳になるというが、安室の40年の人生は順風満帆ではなかった。

   引退の理由はいろいろ囁かれている。再婚を考えている、体の衰えが目に見えてきたなどがあるようだ。

   アイドルという仕事は決して素晴らしいものではないと、私は思う。ましてや40までアイドルを続ける苦労は並大抵ではないだろう。

   キャンディーズと同じように「普通のおばさん」になりたいのではないか。

元SMAP3人のSNS展開

   元SMAPの稲垣吾郎、草薙剛、香取慎吾らの新しい動きも注目されている。9月20日付の朝日新聞と東京新聞の朝刊に見開き広告が掲載された。

   空の写真に方位を示す"NEWS"と"新しい地図"の文字。広告の下には元SMAPメンバー3人の名前が書かれていた。

   また同日、ファンサイト「新しい地図」を開設し、Twitterのフォロワーは23日15時半には21万人を突破したと、朝日は報じている。

   新事務所『CULEN』(カレン)の代表は、SMAPの育ての親で元女性マネージャー飯島三智(朝日は匿名)であるという。

   「会社が登記されたのは昨年7月26日、解散が発表されたのは昨年8月でしたので、この流れは既定路線といえます」(ある芸能関係者)

   サイトでは「コンセプトムービー」と称する動画も配信した。世界各国の街ゆく人の後ろ姿の映像に、「逃げよう。自分を縛り付けるものから」など、どこか意味ありげの文章が重ねられている。

   ジャニーズ事務所から逃げおおせた喜びか、それとも残ったキムタクや中居正広へのメッセージか。

   女性自身によると、サイトのドメインを取得した日は5月31日。3人は早く感謝の思いをファンに伝えたかったのだが、9月に事務所を退社し、一段落するまで待ち続けていたというのだ。

   これからの3人はどの道を行くのか。

   「草彅さんはもともと演技の評価が高く、稲垣さんも悪役などで新境地を開いているので、活躍する場面は多いのでは。芸術的な才能を持つ香取さんは、そういった分野での活躍もあるのではないでしょうか」(芸能評論家の三杉武)

   ジャニーズ事務所のくびきから逃れ、独立をようやく果たした3人は新しい地図を片手にどこへ向かおうとしているのか。

   5本の矢で生きてきたから、1本1本は脆いかもしれない。いつまでも元SMAPではないだろう。真価が問われるのはこれからである。

銀座飲み歩いていた不倫・公明党復興副大臣

   最後に、週刊文春に不倫をスクープされて議員辞職した公明党の長沢広明参院議員(59)の話に触れておこう。

   長沢議員は、菅官房長官の盟友である創価学会の佐藤浩副会長の「一の子分」だそうで、復興副大臣という要職にある。

   家族は埼玉県所沢の賃貸マンションに住んでいる。だが、そこへはほとんど帰らず、東京・紀尾井町にある参院清水谷宿舎に泊まり、毎週のように愛人が来て泊まっていくのだという。

   彼女は、長沢が行きつけの赤坂のサロンのホステスで、週刊文春曰く「女優・剛力彩芽似の美女」らしい。

   しかも彼女には宿舎に入るカードキーを渡しているというから、清く正しく美しくが建前の創価学会では完全にアウトである。

   それにしても公明党議員でありながら、ちょくちょく赤坂、銀座を飲み歩いているようだ。これでは「与党」から離れられないわけだ。

   彼の行状は、公明党や創価学会では懸念する声があったという。だが、先の菅の盟友である佐藤の威光もあり、面と向かって注意できなかったと公明党関係者が話している。

   9月24日に週刊文春が長沢を直撃。その二日後に、カメラの放列の前で長沢は「議員辞職を提出した」と発表した。

   子供たち3人も創価高校を卒業しているというが、議員辞職しても学会からは追放にならないのだろうか。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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