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ロシアに接近する北朝鮮

   安倍首相が選挙の争点の一つとしている米朝関係はどうなっていくのだろう。もしトランプが本気で北朝鮮を潰しにかかったら、金正恩はどうするのか。週刊現代で、近藤大介編集次長と中村逸郎つくば大学教授が対談している。

   2人が一致しているのは、金正恩が逃げる先は中国ではなく、プーチンロシア大統領の懐だということだ。

   中村にいわせると、北朝鮮の水爆実験の5日前に、ロシア政府がロシアと北朝鮮の国境付近の「ハサン村」の住民約1500人に突然、避難命令を出しているという。

   中国には事前通告さえなかったというのにである。

   それに、北朝鮮の核開発を助けているのはウラジオストックに本社がある「ロシア極東山岳建設」という会社で、元はソ連の国土交通省の一組織だったという。

   この会社は、ロシアー北朝鮮間の鉄道建設も請け負っているそうだ。

   羅先―ハサンの54キロだが、ここは計画から建設まで7年もかかった。それは、「おそらく鉄路の地下に、有事の際、金正恩一族が亡命するためのトンネルを建設したのだと思います」(中村)

   そのために、すでにロシア保安庁(旧KGB)の特殊部隊が、金ファミリーのボディガードを務めているというのだ。

   行く先は北極海に浮かぶ群島・スヴァールバル諸島だそうだ。中国の習近平は北朝鮮に対してほとんど力を行使できないようである。

   トランプが北朝鮮制裁に本気なら、話し合うべき相手はプーチンだろう。だが、プーチンに怯え、秘密を握られているトランプは何もいえない。安倍しかりである。

   トランプの北朝鮮政策は、行き詰まっているというべきであろう。油断はできないが。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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