安倍首相「国難突破解散」と呼ぶが、小池氏「安倍友解散」と批判 「希望の党」が台風の目に

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   安倍首相は昨日25日(2017年9月)会見して、28日に衆院を解散すると宣言。理由を、幼児教育の無償化と北朝鮮への対応を2つの国難だとして、「国難突破解散」と呼んだ。ところがこれに、小池東京都知事が「希望の党」の立ち上げをぶつけるサプライズ会見。明らかに「台風の目」を狙っている。選挙も面白くなるかもしれない。

   安倍首相は、28日の臨時国会の冒頭に解散し、10月10日公示、22日投票を明らかにした。解散の理由については、「急速に進む少子高齢化の中、成長を続けるられるのかという、漠然とした不安に答えを出していく」といった。その中身は「生産性革命」「人づくり革命」という経済政策。

   「人づくり革命」は、低所得家庭の子供への高等教育の無償化、幼児教育の無償化。2020年度までに3歳から5歳までの子供の幼稚園・保育園の費用の無償化が内容となる。それに必要な2兆円の財源は消費税を活用する。消費税は19年に10%に引き上げられ、増収分は5兆円強。うち4兆円を借り入れの返済に回す予定だったが、その使い道を見直し、返済分を減らす決断をした。そのためには「国民の信を問わねばならない」という論法だった。

   もう一つ、北朝鮮への対応で国民の信任を得たいという。その上で、国際社会とともに北に対して毅然とした対応をすると述べた。

   国会の冒頭解散、それも所信表明もなしでの解散に、野党からは「森友・加計学園の追及逃れ」という批判が出ているが、これについては「選挙でも野党の批判はこれに集中するかもしれない。もとより覚悟しています」といった。

   共産党の志位委員長は、「森友・加計疑惑隠し以外の何物でもない」。民進党の前原代表も「説得力がまったくない。消費税が上がるのは、2019年の10月。なんで今、解散総選挙なのか」と批判した。

   街の声も、「解散する意味がわからない。自分勝手にやってる」「自分たちが勝てる時期だから、というイメージしか伝わってこない」と、よく見ているという感じだ。

   安倍首相の説明を、日テレの青山和弘・官邸キャップは、「消費税を解散の理由にするのは弱い。消費税の使い道では、民進党の前原代表の主張とも近い。税金の使い道は大事だが、そういうことでいちいち解散するのかということ」という。

   湯山玲子(著述家)「今なら勝てるから、解散なんでしょ。野党がガタガタで、これで勝てば、何年も先の無償化の話なら、通りやすい」

   青山「北朝鮮問題も、今のタイミングがどうなのか、また選挙で問う問題かという疑問もある」

   司会の加藤浩次「安倍総理への信というのもある?」

   青山「与野党の政策に大きな違いはない。結局、安倍首相の実績、政治姿勢がいいか悪いかとなる。野党の混乱に乗ずるという本音を隠している」

若狭氏はずして自ら新党代表に

   一方首相に先立って会見した小池百合子東京都知事は、「希望の党」の立ち上げを発表した。自ら党代表となり、都知事と並行して「国政に絡んでいきたい」と明言した。「小池ブーム」を期して、反自民の受け皿として衆院選の先頭の立つという意気込みだ。動きとしても素早い。

   急遽会見した理由を小池知事は、「私自身が立場を明確にすることで、勢いをつけていきたい」「改革のスピードが遅い。解散総選挙は目の前に迫っている」「準備をしなければならない」と明快だ。さらに、「全国で新人と同時に、議会経験のある方々の参加を」と呼び込みとも取れる言葉。政治家だ。

   昨日(25日)は、自民党の福田峰之議員が離党届を出し、民進党の松原仁議員も離党届を出した。今後も色々出てきそうだ。

   これまで新党を主導し、今日、明日にも結党会見とみられていた若狭勝衆院議員らは、どうやら押しのけられた。若狭氏の動きが遅いと判断したか。知事選と都議選を勝った「小池の顔」を今度は国政で、ということだろう。

   同夜日テレの「NEWS ZERO」に出演した小池知事は、「加計問題のネガティブイメージから、安倍友解散は非常に迷惑なこと」とバッサリ切って、早くも新党代表の顔になっていた。

   加藤「共同代表かな、と言われていたのが、自ら代表だと」

   青山は「安倍総理の会見の前に設定したサプライズ。側近の若狭さんにも伝えなかった」という。「それによって、安倍総理の会見を小さくする狙い。よく言えばうまい、悪く言えば、秘密主義、独断、強さがある」

   小泉元首相が、常々小池氏には「女はすごいね」と言っている、あれだね。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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