瀬長亀次郎を知っているか!映画「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー」の見応え
きのう9月21日、遅くなったが、渋谷のユーロスペースで「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー」を見た。アメリカ占領下の沖縄で、弾圧を恐れず米軍に「NO」と叫び、「不屈」の精神で立ちむかった男・瀬長亀次郎。その後、彼は那覇市長、国会議員、そして沖縄県知事になる。
TBSでキャスターをしていた佐古忠彦がTBSで放映したものに追加取材して映画にし、これから全国上映していくという。瀬長の抵抗する生涯を追いながら、沖縄が置かれた理不尽な状況を過不足なく描いた好ドキュメンタリーである。
こういうものを見たり読んだりするとき、目取真俊(芥川賞作家。沖縄で辺野古基地反対闘争に取り組んでいる)のこの言葉が浮かび胸を刺す。「ヤマトゥの偉い知識人としてではなく、一市民として体を張って座り込んで、機動隊に殴られて痛い目にあえば、観念論も吹っ飛びますよ」(「沖縄と国家」角川新書)
沖縄の現状に怒りは覚えるが、何も行動に起こさないヤマトゥ(本土)のうつけ者。その言葉を繰り返しながら、その夜も、渋谷の居酒屋で一人、安酒をあおった。沖縄に対してオレが何をできるのか。そう呻きながら、いつものようにとぼとぼ帰路に就いた。