インドを訪問していた安倍首相は、あろうことかモディ首相に「世界一安全な日本の原発をインドに提供する」といった。この男はどうしてこうぬけぬけと大ウソを付けるのか。東京五輪のプレゼンテーションで「福島原発事故の汚染水は完全にアンダーコントロールされている」といった時も開いた口がふさがらなかった。こうした詐欺的言辞を弄し、世界で唯一の被爆国が核兵器禁止条約に署名もしないで、北朝鮮の核開発をどうして批判できるのか。頭の緩い私にはよく理解できない。
けさ15日(2017年9月)も北朝鮮のICBMIが北海道上空を飛んで太平洋に落ちた。菅官房長官は「極めて厳しい言葉を用いて北朝鮮に厳重な抗議した」というが、どんな表現なのか、日本語訳を国民に公表するべきである。
北朝鮮のミサイルから国民の安全を守ろうと本気で考えているのなら、あれだけの事故を起こした東京電力の柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を「適格」だと認めたりするのはなぜなのか。金正恩はもちろんだが、トランプも安倍首相も狂ってきているのではないか。
話題を変えよう。FLASHという雑誌はときどきとんでもないスクープを飛ばす。不倫が報じられた斉藤由貴と医師との「自撮りキス写真」を先週スクープして、斉藤に「やっぱり不倫していました」と認めさせた。
今週も斉藤の自宅に上がり込み、女性もの(斉藤由貴の?)のパンツを頭にかぶっている医師の写真が掲載された。いくらなんでも、ここまでやるかという破廉恥写真である。これも2人のどちらかがスマホで撮った写真であろう。
その写真が流出したのである。斉藤は、こんなプライバシーを毀損する写真が出るのは許せないと、警察に相談しているというが、恥の上塗りになるのではないか。不法に流出したのではないとすると、斉藤の夫か、不倫相手の妻がスマホから盗み出し、流出させたのか。だいたい、こんな写真を撮り合うのが正気の沙汰ではない。斉藤には仕事やCMが回ってこないそうだが、それこそ自業自得であろう。
「三島由紀夫の首写真」に800万円払ったフライデー創刊号
このところフライデーがつまらない。今週号の売り物が「有名芸能人『豪邸グランプリ』」と「鉄人健在!鹿賀丈史『上戸彩似の美女と新しい恋』撮った」では430円も払いたくなるかね。元劇団四季時代の鹿賀と会っている。彼ももう66歳。誰と会っていようといいじゃないか。
9月5日にNHKBSで放送されたアナザーストーリーズ「激写!スクープ戦争~写真週刊誌・タブーに挑んだ人々~」を見た。フォーカスとフライデーの創刊当時の話、特に講談社のフライデーの伊藤寿男創刊編集長の話が興味深かった。
どこでもそうだが、創刊号は話題をつくるためにカネをつぎ込む。あの当時、創刊雑誌の広告宣伝費は5億円といわれていたように思う。創刊号の売り物は、市ヶ谷の自衛隊駐屯地で割腹自殺した「三島由紀夫の首」だった。伊藤は「あれは持ち込みで、800万円払った」と語った。発売は1984年(昭和59年)11月。大学の初任給が14万円だから、1本のスクープに払う金額としては破格だっただろう。
FFのほかにも3誌創刊され、総部数5~600万部という写真誌全盛時代は、タブーなし、何でもありで、現場のカメラマンや記者たちの「やるしかない」という意気込みが、写真誌を支えていた。ビートたけしのフライデー編集部乱入・傷害事件が起こり、写真誌の取材手法への批判が高まり、一気に写真誌ブームは去っていった。
伊藤も「いけいけでゆるみがあったのかもしれない」と述懐していたが、部数減が激しかったため写真誌本来の役割を忘れ(私も含めてだが)、原点へ帰るゆとりすらなくなってしまったのだと思う。いつもいうが、写真誌の可能性はまだあると思う。毎週誌面を埋めるだけで終わらず、もう一度「写真誌とは何か、どういう役割があるのか」を考えながらやってほしいものである。