水道水に下水が混じった!ありえないことが起こったのはなぜ? 東京・足立区の27世帯で水道から異臭

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   東京・足立区で、水道水に下水処理水が混入するという、ありえないことが起こった。上水と下水はシステムが全く別。管が繋がっているはずもない。なのにどうして? 実はとんでもないところで繋がっていて、長年閉まっていたバルブを工事業者が開けてしまったためだった。

   10日(2017年9月)の日曜日、足立区中川5丁目の住民から、「水道から異臭がする」と通報があった。住民によると、「子供がシャワーを浴びていて、ドブ臭いと言った」というのが発端だった。飲んでしまった人、ご飯を炊いて気づいた人もいたという。

   異臭がしたのは27世帯。都水道局は住民に非常用飲料水を配布する一方、原因を調査した。その結果、中川水再生センターで下水を処理した「三次処理水」が逆流したものとわかった。中川5丁目は、中川水再生センターに隣接している。

水再生センター内の施設が原因

   センターで処理した下水には、一次、二次、三次と3段階ある。川に放流するのが二次処理水で、三次はさらに浄化して、トイレの洗浄や道路の散布に使われている。問題の処理水は、中川・センター内にある「土づくりの里」にある従業員用のトイレから逆流していた。

   「土づくりの里」は、下水道工事によって掘り出された土から、ゴミや水分を取除き再生する施設。砂埃が立つので、「三次処理水」を散布する。それがトイレの洗浄水にも使われていた。しかし、点検などで「三次処理水」が止まると、トイレが使えなくなるため、普通の水道水も配管された。

   この2つは絶対に接続してはならないものだが、2012年に、施設の運営を委託されている会社が、都に無断で2つの配管を接続してしまった。ただ、双方にバルブがあって、どちらかが閉まっている限り、一緒にはならない。

   5年間そうしてきたのが、今月10日、配水管の清掃業者がバルブを開けてしまった。結果、処理水が水道を逆流して、家庭の配管にまで行ってしまったというのだった。都は、月曜日には配管を切り離して、以後水道水に問題がないことを確認したという。

   加藤浩次「単純ミスなのか。水道に関係している人たちならわかっていたことだと思うが......」

   宇野常寛「ミスでしょうね。日本のインフラはものすごく高いレベルにある。みんなそれを当たり前だと思ってるけど、電気とか水道とかは、お金をかけて人を入れて維持しているんだと、認識すべき」

   都内には水再生センターは23カ所ある。同じ配管がなされていないか、現在点検しているという。

   にしても、水道から言えば、末端の末端。そこからちょろちょろと逆流して本流へ。よくまあ27世帯だけで済んだものだ。都会は便利だが、恐ろしさも溢れている。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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