陸上競技の桐生祥秀選手(21)がおととい9日(2017年9月)に福井市で開かれた日本学生対校陸上の男子100メートルで9秒98と日本人初の9秒台を出した。9秒台は世界で126人目で、9秒98は歴代99位。「これで世界のスタートラインにやっと立てた」という桐生選手のこれまでは必ずしも平坦ではなかった。
桐生選手の5歳時、幼稚園の運動会の映像では、腕をぐるぐる回しながら他の子を追い抜く姿があった。当時から抜群の速さだったが、小学校でやったのはサッカー。5年からはゴールキーパーになった。「あまり速く走るので危ないからキーパーにした」と、当時のクラブ代表だった山口篤也さんは振り返る。
中学校では、リレーで10メートル差を逆転して優勝した。高校では6人抜きで優勝したこともある。2013年の織田記念陸上で10秒01を出して認められた。去年(2016年)のリオ五輪で400メートルリレーに出場し、銀メダルをとった。しかし、今年の世界選手権には国内4位でメンバーに入れなかった。中学時代の陸上部顧問だった大橋聖一さんは「これで自分の走りを見つめなおしたのではないか」と語る。
ボルトのアドバイス取り入れる
ウサイン・ボルトに「トップスピードにのってから後半の走りが課題。フォームをいかに維持するかが大切だ」とアドバイスされたこともあり、体幹の強化に力を入れた。
北京五輪銅メダリストの高平慎士さんは「スピードの落ちが少なくなった」「学生の大会で楽しめたこともよかった」と話す。
キャスターの真矢ミキ「彼自身が驚いている感じが新鮮でした」