北朝鮮が「火星12号」の発射映像を公開 金委員長とともに「ICBM4人組」の姿も

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   北朝鮮の国営・朝鮮中央テレビは昨日30日(2017年8月)、前日(29日)に打ち上げた中距離弾道ミサイル「火星12号」の発射映像と写真を公開した。写真には金正恩・朝鮮労働党委員長のほか、ミサイル技術を支える「ICBM4人組」と言われる幹部も写っており、他にも様々な情報が含まれていた。

   テレビに先立って昨日の労働新聞は「日本の島国の奴らが驚愕する大胆な作戦」として「火星12号」の成功をたたえ、金委員長の「グアムをけん制する前奏曲だ。今後も太平洋を目標に発射訓練を多く行う」という言葉を伝えた。写真の金委員長は満面の笑みだ。

   国連安保理は昨日、緊急会合を開き、「北朝鮮が日本に対して行った常軌を逸した行動を非難する」との議長声明を採択した。この会合で、日本とアメリカは、北への石油の輸出禁止など、経済制裁の強化が必要と主張したが、中国とロシアは慎重な姿勢だった。

   トランプ大統領は日本時間の昨日午後10時頃ツイッターで、「アメリカは北朝鮮と対話をしてきた。そして金をゆすり取られ続けてきた。25年間もだ。対話は正解ではない」と、強硬な姿勢に出た。米朝間にしばらくあった「互いに見守る姿勢」は、これで吹っ飛んだ。

   また安倍首相は昨日午後11時すぎ、トランプ大統領と電話で会談し、今回の事態への対応で認識が一致したと明かした。しかし、付帯的な今後の対応については明らかにしなかった。2日続けての電話会談は異例だ。

   北の中央テレビは、映像で1分36秒、写真63枚。写真には、移動発射台の脇に立つ、あるいは幹部と満面の笑みを見せる金委員長の姿があった。これらから読み取れたものは--

   まず、発射した場所は、平壌から20キロの平壌国際空港の滑走路上だった。北で唯一の国際空港で、2002年に拉致問題で小泉首相が乗り込んだのもここだった。韓国の中央日報は、情報機関の情報として、「火星12号」は約100キロ離れた東倉里のミサイル発射施設で、液体燃料を注入した後、移動してきたものだと伝えた。

もっと遠くを狙っていた?

   元防衛省の情報分析官、西村金一氏は、金委員長の姿の後ろに写っているテレビモニターの地図に注目した。今回のミサイルの飛翔経路が北朝鮮から日本、太平洋へと記されていた。これを見ると、実際の落下地点よりかなり先にまで到達しているように見える。

   西村氏は、「計画ではもっと遠くまで飛ぶようになっていたものだが、実際は短かったのではないか」という。金委員長は「グアムへの前奏曲」といった。北からグアムまでは約3500キロ、一昨日の発射では2700キロだった。この意味はわからない。

   北朝鮮情報サイトの「ディリーNKジャパン」の高英起氏は、「ICBM4人組」に注目した。「この4人が台頭すると同時に北朝鮮のミサイル開発のスピードが加速している」という。

   名前も肩書きもわかっているが、彼らが写真に写るようになったのは、2014、15年くらいから。そして、彼らの隆盛を示すのが7月8日、金日成氏の命日の式典の写真だった。金正恩委員長を挟んで、左右に2人ずつ4人が並んでいた。昨年の同じ式典では、党幹部が一列に並ぶだけだったが、その幹部の多くは、今年は後ろに下がっていたのだ。

   高氏は「ミサイル開発を国内にアピールするためだろう」と見る。

   司会の加藤浩次 「国際社会向けもあるでしょうね」

   次は9月9日の建国記念日だ。今度は何で出てくるか。核実験を予想する向きが多いが、ここへきて強硬になったトランプ大統領の動きをどう読むか。今日のニュースは、衛星写真では核実験の準備の動きはないと伝えている。

文   ヤンヤン
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