昨日30日(2017年8月)午後4時すぎ、埼玉県新座市の柳瀬川で釣りをしていた男性2人が中州に取り残された。猛烈な豪雨で川が濁流に変わっていた。県防災航空隊のヘリが出動して1人を救助したが、もう1人は流されて不明。およそ考えられない豪雨だった。
通報は男性の携帯からだった。警察は初めボートによる救出を試みたが、流れが強くて近寄れなかった。午後4時半、上空にヘリが到着した時、1人の男性は中州の茂みの木につかまっていたが、もう1人はすでに姿がなかった。
川幅いっぱいの濁流で、茂みの中にいる男性の救出は難しかったが、救助隊員が一旦川の流れに降り、流されるように近づいて、男性を確保。その後流れに乗って茂みを離れ、釣り上げに成功した。
男性は70歳。もう1人の71歳の男性と釣りをしていたという。柳瀬川は普段は穏やかな流れで、幅も十数メートルだが、この日午後、新座市一帯に降った豪雨で、川幅は護岸まで広がり、凄まじい濁流になっていた。
雨雲は、午後2時前から新座市一帯に急激に発生。東京でも清瀬市、東大和市に及んで、いたるところで道路が冠水した。練馬区では、午後3時20分までの1時間に約100ミリを記録して、記録的短時間大雨情報が出された。
加藤浩次が「局地的な豪雨の恐ろしさですね。柳瀬川は、警報が午後3時37分に出ている。そして3時40分、3分間で氾濫危険水位に迫ったという。怖いです」という。
気象予報士の藤富郷は、「その少し前から上流の所沢で降っていた。それが流れたので、判断が若干遅れた面もある」と、雨の原因を解説。
秋雨前線の雨雲が停滞
原因は秋雨前線だった。静岡から鹿島灘にかけての前線が、南に下がってきていた。前線の南からの温かい空気と北側の冷たい空気がぶつかり合って、強い雨雲が発生していた。それがちょうど新座、朝霞、所沢で、しばらく動かなかったので、豪雨になったのだという。
加藤「それが停滞するのか動くのか、予報は難しい?」
藤冨「そこまでの予報の精度はまだない。雨雲を見るとか、川にいたら、上流でどうなっているか、これも雨雲で見るとかするしかない」
週末にかけては、台風15号の影響が出る。本州を直撃はしないが、かなりの大型。昨日豪雨をもたらした前線が、今度は台風への防波堤になって、南の暖気を遮った。東日本は北の涼しい空気の中に入り、都心ではすでに気温が22度まで下がった。「昨日より10度も低い。土曜日までこれが続く」
加藤「今年は本当に、西と東で天気が違った」