横断歩道でお辞儀したおじいさんが大反響! 中国の交通マナーキャンペーンに利用

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   横断歩道を渡るおじいさんが、ドライバーに向かって帽子を取ってぺこり。この動画の再生回数が、16日間で3000万回超になって、警察は表彰する、国営テレビまでが放送して大騒ぎ。「え、どうして?」と言いたくなるが、れっきとした理由がありました。中国のお話ですから。

   中国南部の福建省で撮られた車の車載カメラの映像だ。横断歩道が近づき、車が速力を落として停止すると、杖をついたおじいさんが歩道に踏み出し、帽子を取って頭を下げた。

   そして横断歩道を渡っていく。ポロシャツに半ズボン、サンダル、手には赤い紙袋......。隣の車線の車も止まったのだろう。もう一度頭を下げていた。わずか9秒の動画だ。車を運転していた女性がこれを、ネットに投稿した。

   おととい(2017年8月20日)の中国中央テレビは、メインのニュースで、「マナーのある行動は交通をスムーズにし、より安全にします。心が温まる瞬間です」と、この動画を紹介した。「中国国民が感動しています」と。

   ネットの反応もそれを反映している。「私の町では、譲ることはありえない」というのが、いわば社会通念。これに「礼儀正しいおじいさんだ」「おじいさんと運転手、素晴らしい」など、称賛の声が殺到した。

   このおじいさんは88歳。「車が止まってくれた。ありがとうと言っても運転手に聞こえないと思って、お辞儀をした」のだそうだ。中央テレビが取り上げたのも、理由があった。

車優先から歩行者優先への転換か

   拓殖大の富坂聰教授は、「これまで中国は圧倒的に車優先でしたが、歩行者優先に変えないといけなかった。啓蒙運動といっていい」という。

   確かに、中国の交通マナーはひどい。中国の車にはブレーキが付いていないのか、と思うくらい、ノーブレーキで人をはねたり、ぶつかったりする映像が溢れている。中央テレビのニュースでも、おじいさんのお辞儀の後に、警官の職質を振り切って逃げるバイクの映像を流した。警官が滑って転んで、バイクは逃げていた。

   近藤春菜(お笑い芸人)「子供たちがこれに倣って、横断歩道でお辞儀をしたりもあるとか」

   ウエンツ瑛士(タレント)「車のマナー向上が、ドライバーからではなく、歩行者から出ているのが不思議」

   ロバート・キャンベル(国文学研究資料館館長)「いい話だけど、なんか国策を感じる。SNSにしても検閲が入っているし、プロパガンダっぽい」「これはいい情報だけど、一方で、伝えるべき情報が伝わってなかったり」

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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