安倍改造内閣の波乱の目2人、河野太郎外相と江崎鉄磨・沖縄北方担当相 新大臣たちの身体検査の結果は?

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   改造内閣で早くも波乱の目になる2人が現れた。河野太郎外相と江崎鉄磨・沖縄北方担当相である。

   河野は訪問先のマニラで中国の王毅外相と会談した。王から父親の河野洋平は正直な政治家だが、お前の南シナ海発言には失望したといわれ、そっちこそ大国としての振る舞いを身につけろと返した。

   安倍首相は、これを聞いて「よくいった」と思ったのか「とんでもないヤツを外相にした」とうなだれたのだろうか。

   江崎は、週刊文春によれば、田中派の大幹部だった江崎真澄元通産相(故人)の三男で、人柄はいいが酒癖がよくなく、酒で失敗するのではないかと心配されているという。だが、先月の与野党の議員の会合で「昭恵夫人は国会に呼ぶべき」と発言したという。

   たびたび大事故を起こしているオスプレイの自粛を小野寺防衛相が申し入れたのに、米軍側は鼻も引っかけなかったことに、「日米地位協定は少し見直さないと」と語ったのである。

   以前にも触れたが、地位協定は日本の憲法の上に置かれ、米軍が憲法を蔑ろにして日本中で我が物顔に振る舞える根拠となっているものだが、沖縄担当の大臣が「見直し」に言及し、「時間がかかってでも、沖縄県民の気持ちを政府がしっかり受け止めながら、米国には言うべきことは言いながら(見直すべきだ)、という考えを持っている」(デジタル朝日8月8日13時31分より)と発言したのは、万が一酒に酔っていたとしても、正論を堂々と吐いた勇気を買う。

   国会会期中でないことが残念だ。NHKの『ニュースウオッチ9』はさらりと触れ、テレ朝の『報道ステーション』は、この発言の重大さを丁寧に伝えていた。

野田聖子総務相の相続税逃れ疑惑

   各誌、新大臣たちの身体検査を特集しているが、週刊ポストが一番よく取材していた。特に改造の目玉である野田聖子総務相の相続税逃れ疑惑は、彼女の痛いところを衝いていた。

   野田の父親は83歳で亡くなったが、それまで娘の政治資金管理団体や『自民党岐阜県第一選挙区支部』などへの献金総額は3団体で8050万円に達し、そのうち4750万円が党支部に集中的(7年間)に献金されていたというのである。

   浦野広明・立正大学法学部客員教授が、「政治献金は寄付する側に所得税の税額控除が認められ、大きな節税ができる。しかも親から子に献金する場合、それに加えて受け取る側も贈与税がかからない。(中略)高齢になった父から亡くなる前の数年間に政治団体などを受け皿として巨額の献金を受けた野田氏は、一般の国民と同じように相続した場合に比べてかなりの額の課税逃れができた可能性があります」

   安倍首相のお気に入りの小野寺五典防衛相にも、使途不明金疑惑があるという。例えば、15年の政治資金収支報告書によると、資金管理団体『事の会』は、地元で開いた政治資金パーティーと地元企業経営者などからの献金で約3300万円を集め、その3分の1の1200万円を小野寺の後援会に寄付している。後援会はそのうち1150万円を使い切ったことになっているが、具体的な支払い先が報告されているのはポスター印刷代の8万6400円だけで、支出のほとんどが何に使ったのか記載がない。1200万円がほぼ丸ごと「使途不明」だというのだ。

   松山政司・一億総活躍相には、彼が日本青年会議所の副会頭時代、そこのメンバーが当時16歳の少女に「女体盛り」などの破廉恥行為をしたとして、売防法違反などで逮捕され事件があったが、その席に松山もいたという情報が流れているそうで、野党側は手ぐすねひいているという話もあるようだ。

   それ以外にも茂木敏充・人づくり革命担当相は、豊田真由子のように怒りっぽく、これまで秘書が80人以上辞めていると週刊文春が報じている。この御仁には、衆議院手帳を無償で配った「公選法違反」疑惑もあると週刊新潮も報じている。

   スタートしたばかりだが、新閣僚たちの誰から、安倍政権に打撃を与える失言や暴言、スキャンダルが出てきてもおかしくない。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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