靖国神社元幹部「宗教法人返上して国家護持にせよ」 A級戦犯合祀に異議
もうじき72回目の8月15日が来る。敗戦記念日に必ず話題になるのが靖国神社である。靖国神社に06年から今年6月まで務めていて、宮司、権宮司に次ぐ禰宜という幹部職にあった宮澤佳廣が、このほど小学館から「靖国神社が消える日」を上梓した。その宮澤が週刊ポストにこう話している。
<「国のために戦って亡くなった人たちを祭神として祀る靖国神社の特別な公共性を考えた場合、今のような民間の宗教法人のままであれば、靖国神社は内部から崩壊してしまうのではないかという危機感を抱いたのです」>
いまのままであれば、トップの者が独断で九段の土地を切り売りすることもできてしまう。<「それを防ぐためには、靖国神社が宗教法人格を返上して、もう一度国が責任をもってお祀りする国家護持のあり方を模索すべきだというのが私の考えです」>
宮澤は昭和53年にA級戦犯合祀をする際、国民の合意を得る努力をしなかったことが手続き論として間違っていたとも話す。週刊ポストは、今後、自衛隊員が有事で亡くなった場合、靖国に祀るのかという問題も起きてくるとしている。
私は、靖国を国家護持すべきではないと考えるが、いつまでも靖国をタブーにしておかないで、広範な議論をするべきだという考えには賛同する。