週休3日制を導入する企業が増えている。佐川急便、ユニクロを展開するファーストリテイリング、スポーツ用品のアルペン、保育所経営のトットメイト、介護施設運営のウチヤマホールディングスなどは、1日の所定労働時間を2時間増やして10時間、出勤は週4日とした。週40時間勤務は8時間で5日と同じだ。
日本KFCホールディングス、ヤフー、日本IBMなどは1日の所定労働時間は8時間のままで週4日出勤とした。勤務時間が短くなるため給料も減る。いずれも人手不足解消が導入の背景にある。実際の働き方はどう変わったのか。
勤務時間が長い!「8時間×5日」が「10時間×4日」に
福岡・北九州市の介護施設「さわやか清田館」では、昨年(2016年)4月から週休3日制が導入された。自宅で認知症の母親を一人で介護する正社員の女性(46)は、かつては週5日勤務、うち2日が夜勤で、夜勤の日は休憩を入れると1日16時間勤務だった。週休3日制になって所定労働時間は1日10時間に延長されたが、夜勤の日も日勤と同じ10時間。自宅での介護、デイサービスへ送ったり病院への付き添いなど、母親と一緒にいる時間が増え、仕事との両立が円滑になった。
さわやか清田館の山本裕紀施設長は「週3日制によって人員も多くいりますが、時間外(残業)が年間850時間減りました。一人当たりの残業代月約1万円、全体で年間約90万円の減少になり、国からの交付金も増えて給与は減らさずに済んでいます」と話す。