都議選での惨敗と支持率低迷を受けて、安倍首相が踏み切った大幅な内閣改造......19人の顔ぶれが昨日2日(2017年8月)固まった。問題の防衛相、文科相にはベテランを起用、事態の収拾を図るほか、ライバルの野田聖子氏を入れて、曲がりなりにも「挙党態勢」を整えた。さあ、どこまで通用するか。
安倍首相は改造を前に、「今回は奇をてらうつもりはない」と周囲にいっていたという。今の内閣を安倍首相は「未来チャレンジ内閣」と呼んだのだったが、実像は「お友だち」の上に、女性を並べるなど「奇もてらって」いたのは間違いない。
その結果、あちこちでほころびが出て、最後には、「お気に入り」の稲田朋美・防衛相が辞任に追い込まれ、内閣支持率も急落した。
「脱お友だち」野田聖子総務相が目玉
今回の改造の目玉の一つは、野田聖子氏の総務相への起用だ。前回の総裁選に対抗出馬しようとして果たせなかったこともあり、安倍路線からは距離を置いていた。「お友だち」脱却の印象を与えるには、最適の名前だった。
「スッキリ」は先週、野田氏に直に聞いていた。入閣要請があったらウケるのか? 野田氏は、「答えようがない」と言ったが、「(逆風の)こういう時だから、みんなで力を合わせなきゃいけない」といっていた(民進党に聞かせたい言葉だ)。野田氏は総務相に内定した。
そして、問題の防衛相には小野寺五典氏の再登板。加計学園問題などを抱える文科相には元農水相の林芳正氏を持ってきた。麻生太郎・財務相、菅義偉・官房長官ら5人が留任したが、入れ替えは再入閣7人、初入閣6人と大幅なものになった。
加藤浩次「顔ぶれは決まったようですが、率直にいってどうですか」
政治評論家の有馬晴海氏は「あんまりお友だちがいない。女性は2人だが、地味目。答弁能力がある、仕事ができる人。こんなに大幅に顔ぶれを変えるというのは、めったにないこと」という。で、野球に例えて「安倍・侍ジャパン内閣」と呼んだ。心は、「これが1軍のレギュラーだよ」と。
加藤がすかさず、「これまでは1軍じゃなかった?」と突っ込んだ。
有馬「答弁ができないとか、野党から突っ込まれても、言い返しもできないレベルでは、大臣としては......というのがあった。今回はそういうことがないような人を揃えた」
例えば小野寺氏。「そつなく、答弁がうまい。柔らかい」という。「林さんもそうです」。で、「(懸案事項には)前任者がやったことで、よく知らない。知ってる限りではこうだと......」
加藤「それじゃぁ困る」
有馬氏「それも含めて入れ替えるのが目的」
加藤「だから、侍ジャパンだと」
野田聖子氏起用で安倍首相は何を狙うのか。首相とは同期のベテラン。郵政相の後、郵政解散では造反して離党。復党して消費者担当相、総務会長まで勤め、女性初の総裁候補とも言われる。
有馬氏は「『脱お友だち』を象徴する人事」という。
で、繰り返し名前の出る小泉進次郎氏は今回、筆頭副幹事長になった。「奇をてらうことはせず、あえて(入閣から)外した。役割は次の選挙です」
ポスト安倍の本命と言われる岸田文雄・外相兼防衛相は閣外に去ったが政調会長になる。有馬氏は「これまで党務をしたことがないので、総裁後継を睨んでの準備。代わりに岸田派から4人が入閣している」という。手続きは入念なようだ。
新内閣に何ができるのか。第三次安倍再々改造内閣と言うんだそうだ。きょう(3日)発足する。