夏本番を迎えてから大荒れの天候が続いている。
昨日31日(2017年7月)には雷雨を伴う局地的な大雨に襲われた『記録的短時間大雨情報』が大分、山口、広島、愛媛、長野の5県に発令された。さらに追い打ちをかけるように太平洋上を迷走中の強烈な台風5号が週末には西日本に接近し、上陸する恐れが出てきた。
気象庁予報官を経て東京航空地方気象台長を務めた饒村曜(にょうむら・よう)青山学院大講師が番組にナマ出演し、今後の5号の進路を詳しく解説した。
5号が南鳥島近海で発生したのは21日午前9時。その6時間後の午後3時に同海域で台風6号が発生し、お互いが影響し合って5号の迷走が始まった。
その後6号は熱帯低気圧になって消滅したが、5号の西側に再び熱帯低気圧が発生したため5号はさらに迷走を続け、その間に暖かい海水からエネルギーを補給し、勢力を増大させてきた。
1日(2017年8月)午前6時現在、930ヘクトパスカル、最大風速50メートル、最大瞬間風速70メートルと非常に強い勢力を維持したまま、小笠原諸島の南海上を西北西に向けゆっくり進んでいる。そこで今後の進路だが、気象庁が発表している5日先の予報では今月5日に南九州沖に接近するが、その後の正確な進路はわかっていない。
6日か7日に西日本に上陸
ところが欧米の気象機関の1日現在の予報では、6日~7日にかけて二通りの進路で西日本に上陸するとみられている。
ヨーロッパ中期予想センターでは、5号は5日西日本に接近、6日西日本に上陸、7日日本海に抜け、8日中国大陸に再上陸と予想。
一方、アメリカ海洋大気庁によると、6日に東に向きを変え、7日に紀伊半島付近に接近し上陸、8日東海地方から関東、東日本を縦断すると予想している。
饒村元予報官によると、日本の気象庁は台風の進路については混乱を避ける狙いで5日先までしか発表していないが、欧米の二つの機関は、精度は二の次で10日先まで予報しており、その精度は五分五分より若干高い程度という。
それでも饒村元予報官は今回の台風5号について「強い勢力を保ったまま日本列島に上陸する可能性が高い。しかも上陸してもゆっくり移動する恐れがある」という。