自民党の竹下亘国対委員長が、来週中に予定されている衆院安全保障委員会の閉会中審査に稲田朋美前防衛相の出席を「拒否する」と民進党の山井和則国対委員長に伝えた。
出席拒否の理由について竹下委員長は「辞任という一番重い責任の取り方をされた。辞めた大臣を国会に呼び出すのはやってはいけないと判断した」という。
南スーダン派遣部隊の「日報」隠ぺい問題は、最大の焦点だった稲田前防衛相への報告の有無について特別防衛監察の結果は詰め切れないまま曖昧な表現で終わり、国民の知るべき情報がどこまで解明されるかの次の焦点が来週の閉会中審査だった。
「稲田隠し」と批判
その渦中の稲田前防衛相の出席拒否に、スタジオのコメンテーターから「疑惑隠し」「稲田隠し」と批判が続出した。
青木理(元共同通信記者)「当事者ですし、一番肝心の稲田さんが報告を受け了解したんではないかというのが最大の焦点。稲田さんでないと答えられないですから(欠席など)考えられない」
菅野朋子弁護士「稲田隠しと捉えられても仕方ないですね」。
玉川徹(テレビ朝日解説委員)「『辞めた大臣を国会に呼び出すのはやってはいけない』って、田中真紀子元外相を辞任後、参考人招致した例がある。国対のセンスを疑いますね」。
その渦中の稲田前防衛相は、日報隠ぺい問題で引責辞任したにもかかわらず、31日午前中には笑顔で離任式に臨み、「今般問題になった点を徹底的に改善し再発防止策をしっかり実施していかねばなりません」と、自らの責任や謝罪の言葉もなかった。
これには防衛省幹部すら「離任式を辞退するかと思っていたが、驚きだ」という声が上がっていた。
日報に「戦闘」と書かれた危険な南スーダンのPKO(国連平和維持活動 )に、強引に陸上自衛隊部隊を派遣した安倍政権を「知らぬ、存ぜぬ」で守り通したという自負でもあるのだろうか。そのあと栄誉礼も胸を張って臨み、満面の笑みで女性職員から花束をもらっていた。
民進党は「もう一度、安倍首相と相談し改めて返事をしてほしい」と自民党に要求しているというが、さてどんな答えが返ってくるか.....。