見えないところで「持ち帰り業務」
山本社長が発表した改革目標は、労働時間(残業)を再来年までに2割削減。社員・契約社員の増員。効率的な働き方を評価。PCによる作業の効率化だ。しかし、午後10時に会社を出てからも上司から指示が来たり、ファミレスや喫茶店、自宅で仕事という社員がいる。「全体の業務量が変わらなければ、状況は改善しない」「労働時間が減っても、仕事減らしが追いついてない」という声が聞こえてくる。
経営コンサルタントの髙城幸司さんは「働き方改革は生産性の向上なんです。これには3つの段階があります。まずは残業時間減らし。次が業務の見直し・効率化。最後が少ない時間で利益を生むビジネスモデルを作ること」という。「業界のリード・カンパニーが引っ張っていく必要があります。ヤマト運輸の配達時間の見直しがいい例で、あれで全体が変わりました」
殿様体質、利益優先できた電通にその器量があるかどうか。出てきた改革の青写真が「効率的な働き方を評価」「PCによる効率化」程度では心もとない。