福井県の教育委員会は来年度(2018年度)の県立高校入試から、英検3級以上の取得者にプラス評価が加えられる制度を導入するが、これが論争を呼んでいる。新制度では、受験生はこれまで通り学力検査(500点満点)と調査書(内申書)で評価されるが、英検取得者は3級で5点、準2級で10点、2級以上で15点が加点される。
この制度が発表されたのは昨年(2016年)10月で、この6月(2017年)の英検受験者数は去年の約5倍と急増した。英検対策講座を設ける塾も登場している。今西数英教室の今西淳二塾長は「合格不合格のライン上では1点、2点の間に何人もの受験生がひしめいています。英検取得で加点があればチャンスになる」と話す。
塾通いや受験料で格差
これに「待った」をかけたのが県議会だ。先週行われた本会議で新制度に対する意見書が可決された。斉藤新緑県議は「塾通いや受験料で格差が生じる」と問題点を指摘する。教育評論家の尾木直樹氏も「完全な不平等。中学校の英語教育が歪んでしまう」と批判する。
宇賀なつみキャスター「公立ですからね。不公平です。漢検や数検もあるのに」
プレゼンターの野上慎平アナが「文部科学省が2020年に向けて英語に力を入れていくという大前提があるんです」と説明すると、長島一茂(スポーツプロデューサー)が「それはわかるけど、将棋の藤井君や、野球・サッカーなど、ほかの特殊能力が育まれなくなる」と反論する。
学習範囲を逸脱
コメンテーターで作家の吉永みち子「英検2級の内容は公立の中学校では学ばないので、不平等になりますよね。この制度で誰に恩恵があるかというと、受験生でないことは確実。これが全国に波及するのが怖い」
英検は3級が中学卒業程度、準2級が高校生程度、2級が高校卒業程度の能力とされているので、中学の学習範囲を逸脱している面があるのは明らかだ。
吉永みち子「3級までを認めるというならまだいいけどね」
司会の羽鳥慎一「入試と英検を絡めるのはどうかということですね」