大手デパートが、お中元などの配送料金を、申し合わせて一斉に値上げしていた疑いがあるとして、公正取引委員会は昨日(2017年7月19日)、7社と関係先を独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査した。市民からは、「デパートよ、お前もか」と失望の声が聞かれた。
高島屋は19日、「近畿地区の店舗の配送料金が、独禁法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会の立ち入り検査を受けた」と明らかにした。
立ち入り検査を受けたのは、高島屋、近鉄、阪急・阪神など大手デパートの大阪の店舗とそごう、西武、大丸、松坂屋。各社は、2015年にお中元、お歳暮の配送料金を値上げした。これが申し合わせの上での一斉引き上げで、違法だった疑いがあるというのだ。背景には、宅配業者の料金引き上げがあったともいう。
司会の小倉智昭が「百貨店は売り上げ落ちているからきついと思うんだ。だからこういうことが起こったんだろうな」という。
木下康太郎アナは「消費者がものを選ぶのは、商品の良さももちろんですが、配送料金の安さというのも選択肢の一つ」と前置きして、解説した。
デパートの配送料金は店によって異なるのが自然だが、これを、水面下で話し合って、値上げの幅や時期を決めると「カルテル」になる。同業種または近い企業同士が「互いに競争を避け、利益を確保するために行う協定や合意」は、消費者の利益を損なうとして、独禁法が禁じているものだ。
業界団体の会合で話し合った?
読売新聞によると、担当者同士が業界団体の会合などの場で協議し、具体的な値上げ幅などを決定。贈答品の種類や配送先のエリアに応じて、数十円~数百円の範囲で値上げした疑いが持たれているのだという。
小倉が妙に力を入れて、「こういうものは、消費者のためにはなくならなければならないけれども、例えばこういう闇カルテルだとか入札の際の談合なんか、いつの世でも無くならないじゃないですか。どこかに必要悪の部分があるんだよね。そこから根本的にものの考え方を変えていかないと、なくならないと思いますけどね」という。
例えばロッキード事件の5億円だって、企業からしてみれば、単純なキックバックの範囲内。飛行機の値段が値段だから、金額も大きく大事件になったが、あくまで商習慣だった。ただ、法律にも一般にも馴染まない。