中国のネットで「くまのプーさん」はタブー! 習近平国家主席への批判と受け止められる

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   ディズニーの人気キャラ「くまのプーさん」がいま、中国のネットから消えつつあるという。習近平国家主席と「似ている」とは、以前から言われているのだが、「習氏+プーさん」で検索すると「表示されません」となるのだという。当局は一体何を心配しているのだろう。

   上海のディズニーランドで昨日(2017年7月19日)撮ったという映像があったが、「くまのプーさん」の着ぐるみはちゃんといた。しかし、ネットになると話が変わるという。

   中国版のSNS微博で検索すると、「法規制と政策に従って、表示されません」と出る。これについて、日本を訪れている中国人観光客に聞いてみると、ほぼ答えを拒否。答えた人も、「こんな敏感な問題、私は答えられない」と言った。

   司会の小倉智昭「中国人観光客が話したがらない。なんでこんなことでピリピリしてるんですか?」

   国際政治学者の三浦瑠麗さんは、「中国は一党独裁なんです。時代遅れの制度をもたせるために、すべてを監視している。それが大前提」という。

   そもそもは、2013年の米中首脳会談だという。オバマ大統領(当時)と並んで歩く習主席を、同じディズニー・キャラの虎のティガーとプーさんになぞらえた漫画がメディアに出て拡散した。14年の日中首脳会談でも、習氏はプーさん。

   15年の軍事パレードで車に乗った姿も、プーさんが車に乗ったおもちゃと並べられた。これがこの年、中国で最も検閲された写真となった。国家指導者が揶揄されるのは、許せないということらしい。

権力を揶揄するのは「反権力」

   小倉「プーさんは可愛いと思うんだけど、なんでそこまで?」

   三浦さん「権力に対する揶揄、笑いは、一番強力な反権力の意思表示になりうる。また、プーさんが『隠語』になりうる。習氏の名が批判的な文脈で出てきても、すぐ削除される」

   他にも引っかかることばは多い。「天安門事件」「ダライ・ラマ」「(ドラえもんの)ジャイアン」「ジャスミン」もダメ。「ジャイアン」は中国語では「パンフー(太った虎)」と呼ばれ、習氏に似てなくもない。「ジャスミン」はチュニジアの民主化運動だ。

   先日亡くなった2010年のノーベル平和賞の人権活動家、劉暁波氏は、服役中で授賞式に出席できなかっただけでなく、受賞したこと自体も報道されなかった。その劉氏がツイッターに載せた、奥さんとマグカップを合わせている写真がある。劉氏のカップがなんと「プーさん」だった。そこで、微博には、「これも検索できない理由だ」と書き込みがあった。

   中国は今秋、第19回全国代表大会を開催する。5年に1度の重要会議で、習近平体制を磐石なものにする必要があるのだという。ネットの検閲は、当局もしくはSNS業者の「忖度」?

   小倉「SNSを統制してしまうのは空恐ろしい」

   三浦さん「官僚が規制をどんどん拡大していく。国民はそれを見ている」

   東京に来ている観光客までが、それをわかっている。人口は13億? いやはやである。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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