愛知県豊田市の住宅街の森で、近くの親子が体長7センチの大型カブトムシを捕まえた。普通のカブトムシよりふた回りも大きな胴体はグリーンメタリックに輝き、3本の黒いツノを持つ。主に東南アジアに分布するアトラスオオカブトで、この名前はギリシャ神話の「天空を支える神」からきた。攻撃性が強く、大きいものは体長10センチにもなるという。
見つけた小林健将君は「びっくりした。夢かと思った」、父の真一郎さんは「海外で売っているのは知っていたけれど」と、こちらも驚いていた。日本にはいるはずのない外来種が、なぜ生息していたのか。
飼っていた人が逃がした?生態系に影響
「モーニングショー」のスタッフが森の中を8時間捜索し、さらに10本の木に餌を仕掛け、暗視カメラも設置したが、ノコギリクワガタなど在来種しか見つからなかった。
九州大の荒谷邦雄教授は「飼っていた人が逃がしたか、虫が逃げたか。定着は考えにくいが、否定はしません。立派に害虫になり得ます」と話す。環境省と農林水産省が作る外来生物リストには、「定着予防外来種」としてヒアリの隣に載っている。人に危害はないが、生態系に影響する点では、危険生物と同じ扱いだ。
文
あっちゃん| 似顔絵 池田マコト