大阪府議会が籠池劇場に、参考人招致で昭恵夫人との関係得々と語る ただし「金」の話にはだんまり

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   大阪府議会は10日(2017年7月)、森友学園の補助金不正受給を追求するため、籠池泰典・前理事長を参考人招致した。この場で籠池氏は、安倍首相夫人との親しい関係について滔々と語ったが、肝心の補助金の件については、「刑事訴追の恐れがある」と言及を拒んだ。

   冒頭籠池氏の口からは意外な言葉が飛び出した。「大阪府、大阪市の行政担当から、誠に懇切丁寧なるご指導を頂戴しつつ、学校経営に邁進してまいりました。維新の会の府議、市議、国会議員までもが、何度も私どもの教育施設にご視察いただき、いまだに感謝しております」。さらに「安倍晋三先生、昭恵夫人とも知り合うこととなり、様々なご援助をいまも感謝しております」

   籠池氏は、先の東京都議会選で安倍氏の演説会場に現れ、夫人から受け取ったという100万円を見せた上、「渡したと言え!」と叫び、籠池夫人も「安倍のドロボー」と叫んでいたのだった。

   その100万円について聞かれると、「(100万円寄付の)授受はありました」と、国会やメディアに何度も語った経緯を説明した。「人払い」「安倍晋三からです」「封筒」「5分後に携帯に電話」「名前はださないように」という流れだ。お土産のお菓子と講演会費10万円を渡したとも。

   さらにこの日は、その後の話にも及んだ。「近くのレストランで、ビーフステーキを、昭恵夫人と秘書の方、私ども2人で」と、笑いを浮かべて余裕たっぷり。

   昭恵夫人が小学校の名誉校長を引き受けた時のことでは、「就任を要請しましたら、1秒おいて『お受けいたします』と快諾されました」といった。これについて、安倍首相は、「何度も断った末に仕方なく引き受けた」と言っている。

   ところが、補助金の問題になるガラリ変わって、「刑事訴追を受けるかもしれない状況なので......」と答えず。重ねての質問に、「同じような質問は時間の無駄ですので」「同じことを何度も言わせないでください」と苦い顔。議場からは笑い声が起こった。

籠池氏、百条委員会の設置求める

   そして最後に、「私だけが『トカゲの尻尾切り』のように罪を被せられるのではなく、どうぞ百条委員会を設置して真相究明を進めてくださるようお願い申しあげます」と述べた。この間約3時間。

   自宅に戻った籠池氏は、何も答えず、「言いたいことはいったか」の問いに、右手の親指と人差し指で「OKサイン」見せて去っていった。

   司会の小倉智昭「ステーキ食べたぐらいじゃ爆弾にはならない」

   取材した田中良幸が解説。籠池氏は、「安倍首相と松井知事が同席した2012年のシンポから学園をとりまく環境が大きく変化した。府職員が懇切丁寧に指導してくれた」と2人の意向が働いた、とも取れる発言をした。また、国有地売却については、「折衝は弁護士任せだったので、弁護士に聞いて欲しい。守秘義務解除を宣言する」といった。

   終わって松井一郎知事は、「籠池氏が言い訳をする場を作っただけだった」といった。府が知りたかった補助金については何も突っ込めなかったからだ。

   小倉「補助金の不正受給で、籠池さんが逮捕されると、森友学園問題は終わっちゃうのでは?」

   時事通信の田崎史郎氏「大阪地検特捜部の捜査がどうなるかと、もう一つ会計検査院が財務省を調べている。これでいくしかないように見える。籠池さんを突き崩すのは、普通の人には難しい」

   小倉「何で8億円も安く、というのが......」

   伊藤惇夫氏(政治アナリスト)「それと、大阪府の私学審議会が、何でこうも簡単に認可したのか、というのがある。特捜部は財務省担当者への背任容疑の告発も受理しているから、そちらもきちっとやってもらいたい」

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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