国会参考人招致、「官邸の意向あった」と前川・前文科次官 「和泉洋人補佐官が『総理のご意向』代弁」

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   森友学園の小学校と加計学園の獣医学部新設--「もり・かけ」と言われる2つの疑惑に「総理のご意向」はあったのかどうか。昨日大阪と東京で、疑惑のキーパーソンと言われる2人が証言した。まずは、東京......。

   衆参両院での閉会中審査に参考人招致された前川喜平・前文科事務次官は、「背景に官邸の動きがあったと思う。初めから加計学園に決まるように、プロセスを進めてきたというふうに見える」と断言した。

   また、萩生田光一・官房副長官が示唆したと記された「総理のご意向」文書は、「次官在任中に目にした文書に間違いない」とした。前川氏はまた、官邸で「総理の口からは言えないから私が代わっていう」と言われたとして、和泉洋人補佐官の名をあげた。その和泉氏の出席を、政府は拒否した。

   しかし、当の萩生田氏も当時の文科省の担当者も「記憶にございません」の一点張り。文書自体も「確認できない」と、午前の衆院、午後の参院の審査でも全くブレなかった。前川氏は「探せば出てくる文書だと思う」と言ったが、全くの水掛け論。

   ただし、嘘も暴かれた。安倍首相と加計学園の加計孝太郎氏との関係を、萩生田氏は先月の国会で「最近の報道で知った」と答えていたが、大串博志氏(民進)が2013年5月の萩生田氏のブログに、総理、加計氏、萩生田氏が談笑している写真が出ていると、突きつけた。しかし萩生田氏は「腹心の友とは最近知った」と突っぱねた。

   前川氏に、加計学園を推すよう働きかけた人物は他に、木曽功・前内閣官房参与(現・加計学園系の学長)と、藤原豊・前内閣府審議官がいる。藤原氏は「記憶にない」、木曽氏は審査に出ていない。

   そもそも審査の場に安倍首相はいない。「連合審査は疑惑の中心人物の外遊中を狙った」と野党は臨時国会の開催を要求した。

   もう1つ、山場は前川氏と菅義偉官房長官とのやり合い。菅氏は前川氏を「地位に恋々とした」と会見で非難していたのだが、民進党の蓮舫代表の質問に、菅氏は「そう思っていた。報告があった」と答え、これに前川氏が、「全く事実に反します」と蹴飛ばし、議場から「おー」と声が上がった。

「官邸と読売新聞の記事は連動」と前川氏

   また、前川氏の「出会い系バー」通いでも、菅氏は前川氏を非難していたが、これに前川氏は、「官邸と読売新聞の記事は連動していると感じる。国家権力とメディアの関係は非常に問題がある」と噛みついた。

   終わって自民党の竹下亘・国対委員長は、「何も新しいことが出てこない。これじゃあ意味ないよね。国会でやるべき議論じゃない」と言った。「記憶にございません」とキーパーソンの出席拒否では動くはずがない。が、動くものはあるだろう。世論だ。

   読売新聞--首相のお友達新聞と言われる--の世論調査で、内閣支持率が36%、不支持が52%と出た。その不支持の理由では「首相が信用できない」が49%と最大だった。この日の国会ニュースを見たら、もっと支持率は下がるだろう。安倍内閣の支持率は、「他にいい人がいない」が支えだったんだから。

   司会の小倉智昭「記憶がなくなる方が多い。こういう人たちに重要事項を任せておいていいのかと思ってしまう」

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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