夫や交際相手など4人の男性に青酸化合物を飲ませ、殺害した罪に問われている筧千佐子被告(70)が10日開かれた京都地裁の裁判員裁判で、これまでの全面否認を一転、夫の筧勇夫さん(当時75)殺害について認めた。
筧被告は夫殺害の動機について「愛情は二の次、お金が一番です」「他の女の人には1千万円や2千万円を渡していたのに私は一銭ももらえず差別されたと思った」と話した。
また殺害の方法については、「当時プリントする仕事をしており、出入りの業者から青酸化合物を入手した。健康食品と言ってカプセルに青酸化合物を入れて飲ませた」という。
また筧被告はこうも話した。「私がやった犯罪を隠す気はありません。明日、死刑執行を言われたらいつでも笑って死んでいく覚悟です」。
あわてた弁護側
筧被告が一転し殺害を認めたことであわてたのは弁護側。認知症を理由に無罪を主張していた弁護側は、今回の公判直前にも本人から「黙秘する」と確認を取っていたという。このため弁護側は「初めて聞かされたこともたくさんあり、検察側や裁判官と今後の方針について話し合う」という。
伝えた堀尾正明(前『Nスタ』キャスター)は「判決は11月7日の予定で、それまで48回公判が開かれ、裁判員裁判では2番目に長い裁判だそうです」と話していた。
筧被告は現在、3件の殺人と1件の強盗殺人未遂の罪で起訴されている。しかしこれにとどまらず、一部の報道機関によると内縁関係にあった男性や知人が次々不審死を遂げており、遺産相続は10億円にのぼるという疑いも出ている。筧被告がすべてを話したらもっと長くなる可能性もある。