ポーランドで開かれていたユネスコの世界遺産委員会は昨日9日(2017年7月)、日本政府が申請していた「宗像・沖ノ島」の世界文化遺産への登録を内定した。専門委は、申請のうち沖ノ島の4カ所だけとしていたのだったが、結果は8カ所全部が認められ、地元は胸をなでおろした。
登録は「宗像・沖ノ島と関連遺産群」となる。まずは、沖ノ島と近接の岩礁、小屋島、御門柱、天狗岩の計4カ所。そして、大島にある宗像大社沖津宮遥拝所と宗像大社中津宮、福津市の新原・奴山古墳群、宗像市の宗像大社辺津宮の4カ所があって、計8カ所になる。
このうち、沖ノ島の歴史遺産の価値は文句ないもので、周囲わずか4キロの孤島だが、古くから「神宿る島」と呼ばれ、出土品の多くが国宝の指定を受けている。島は宗像大社の神職が守っているが、一般人は女人禁制、男性も年に一度だけ、全裸で禊をしてからでないと上陸できない。
調査した専門委は、近接の岩礁とともに沖ノ島の遺産価値を認めたが、宗像大社などは別物だとして、認めないと言う見解を出していた。このため日本政府は、ポーランドに関係者を派遣して、委員会の委員への説明などに務めていた。これが奏功したのか、決定は「8カ所一括」と逆転した。
観光どころではない「沖ノ島」
司会の小倉智昭「世界遺産に決まると、観光客が増えるものだけど、沖ノ島の場合は簡単に入れない」
島には神職しか立ち入れず、10日ごとに交代だという。一般男性は、宗像大社が選んだ人だけが、5月27日に海に入って禊をしてから上陸できる。報道関係者も禊だというから、とても観光客どころではない。
実際には、船で島の周囲や岩礁をめぐるしかない。また、宗像大社や古墳は、観光客も増えるかも知らないが、沖ノ島ははるか彼方だ。
山中章子アナ「今後世界中から注目されると思いますが、そういうルールをどう保護していくかが問題になってきますね」
小倉「そういうことも含めて、世界遺産なんでしょうからね」
ということは、見られない世界遺産ということ? 案内を頼りにやってきた外国人客を追い返すようなことにならなければいいが......。