「俳優の西田敏行に薬物疑惑、まもなく逮捕」--という虚偽情報をネットで拡散させたとして、ブロガーの男女3人が偽計業務妨害容疑でおととい5日(2017年7月)に書類送検された。「人の興味を引くような記事を掲載して、広告の閲覧数を伸ばし、広告収入を増やしたかった」と供述している。
西田は1年以上前から妙な噂に悩まされていた。ある週刊誌が昨年5月に「某大物俳優に薬物疑惑」と書き、それを受けてネットで「大物俳優って誰?」「西田敏行じゃないの」と根拠のない情報が拡散し、次第にエスカレートして「まもなく逮捕」「暴力を振るう」という書き込みが増えていたからだ。
西田は「シャブ中ではございません」と笑い飛ばしていたが、出演番組への問い合わせなどもあり、所属事務所は昨年8月、警視庁に被害届を出した。
虚偽情報に尾ひれつけ面白おかしく
司会の小倉智昭「私は積極的にはネットを見ない人なんですが、それでも西田さんのこの噂は知ってましたものね。普通は国民的大スターの西田さんがまさかと思いますよ」
ITジャーナリストの三上洋氏は「ネットに虚偽情報を流して書類送検されるケースは増えていますが、今回はその行為が偽計業務妨害、つまり西田さんの事務所の仕事を邪魔したというもので、このパターンは珍しい」と解説する。
送検された3人は情報を自分のブログにまとめて書き込んでいた。虚偽や別の情報を勝手に結びつけて面白おかしく書く。これがまとめサイトで、話題性と有名人が揃えば、たちまち拡散する。閲覧の数が増えれば、広告収入も増える。
小倉「信ぴょう性がないものも混じってるってるということですか」
三上氏「信ぴょう性はほぼないです。掲示板に『誰々じゃないか』と書いたのを、『掲示板には誰々と書いてありました』と書く。『調べてみました』というのはネットで検索しただけ」
そんな情報は独り歩きを始めるわけだ。笠井信輔ニュースデスクは「やっかいなのは、こんな情報あるよと悪意なしに書く人もいることなんです」
小倉「ダメージは当人にしかわからない。強烈ですからね」