最悪生物のヒアリ退治はムリ?

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   「"最凶アリ"」「最悪の外来生物」(番組ナレーション)のヒアリが国内で相次いで確認されているそうだ。兵庫県尼崎市を皮切りに、神戸港や名古屋港のコンテナ、大阪・南港で見つかっている。

   「現時点では港の中だけで発見されていて、港の外の住宅街や緑地といったところの事例はない。定着し、分布を拡大している証拠はないが、隠れて潜伏し、数を増やしている可能性もゼロではない」(五箇公一・国立環境研究所生物・生態系環境研究センター室長)

   ヒアリは南米・アマゾンが原産のアリで、体長2ミリ~6ミリと小さく、全身が赤茶色だそうだ。

   「パッと見て『ヒアリだ』とわかるほどの特徴はなく、簡単には見わけられない」(五箇)

   腹部に強い毒針を持ち、刺されると火で焼かれたような痛みを感じるほか、最悪の場合は死に至ることもあるという。

   「アナフィラキシーショックを引き起こす恐れがあるが、その程度にも差があり、正直、誰が重症化するかわからないという不確実性がある。全身症状が出た場合に、適正な処置を受けないで放置してしまうと、死に至る恐れがある」(五箇)

   人への直接的な健康被害以外に、生態系や社会に与える影響も深刻だそうだ。ヒアリは環境適応能力に優れていて、繁殖力が強いという特徴があり、1930年代以降に貨物船を通じてアメリカ国内に侵入し、ここ20年間ほどで、オーストラリアや中国、台湾にまで生息域を広げてきたそうだ。

   あらたに侵入したエリアでは在来のアリを駆逐し、農作物を食い荒らし、家畜が刺されて死ぬこともあるという。都市部では電気回路に入り込み、停電や火災を引き起こしたりするそうだ。アメリカではヒアリによる経済損失が年間5000億円に上るとの試算まで出ているという。

   台湾やオーストラリアでは国家的課題として、多額の予算を組んでヒアリの駆除に取り組んでいるものの、ヒアリの繁殖力の強さから根絶には至ってないそうだ。

クローズアップ現代+(2017年7月4日放送「徹底追跡 "最凶アリ"襲来」

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