北朝鮮は昨日(2017年7月5日)、前日発射したICBM(大陸間弾道弾)の新たな映像を追加公表した。運搬車両が運んできた移動式ミサイルがいとも簡単に発射される。つまり、いつでもどこからでも可能で、事前捕捉は不可能ということだ。トランプ大統領のつぶやきもやや不穏になった。
ミサイル「火星14型」の本体は長さ十数メートル、これを搭載した迷彩塗装の運搬車が、そこだけ簡易舗装された空き地の一角に着く。運搬車から10メートルほど離れて、作業を見守る金正恩委員長の姿があった。ゆっくりと屹立するミサイル。運搬車から切り離されると準備完了だ。ミサイルは奇妙な形の台の上に乗っているように見える。
そして、カウントダウン。発射の瞬間を7台のカメラが追っていた。また、ミサイルに搭載のカメラも、ブースター切り離しの状況を記録していた。映像は4分37秒あった。
ミサイルはその後40分間飛行し、高度2500キロに達して、900キロ先の日本海(日本のEEZ内か?)に落下した。前回「火星12型」(5月)の飛行30分、高度2000キロから確実な進歩を見せつけたことになる。
金委員長は、「アメリカ独立記念日(7月4日)の贈り物だ。今後も大小の贈り物を頻繁に送ってやろう」という挑発メッセージを発し、テレビは祝賀のダンスパーティーで踊る平壌市民の姿を伝えた。
米韓軍は5日朝、地対地ミサイルの合同発射訓練でこれに対抗した。他に韓国軍は、戦闘機が平壌を爆撃する様子のCGを配信した。が、いずれも無力だ。北の国民には、テレビでもネットでも一切伝わらないのだから。
トランプ大統領のつぶやきに無力感
ドイツでのG20に出席する安倍首相は昨日(6日)、G20の場で、危機感を訴えると語った。
これに対して、アメリカのトランプ大統領はまたもやツイッターでつぶやいた。曰く「中国と北朝鮮の貿易は、第一四半期に40%近く伸びた。中国とは協力するよう努力してきたが、それもこれまでか」
司会の小倉智昭「驚いたのは、ICBMの打ち上げ台というのか発射台というのか、本当に簡単なものなんですよね。ああいう技術を北朝鮮が持ってしまったんだと、驚きました」
笠井信輔(ニュースデスク)が「トランプ大統領の『これまでか』というのは、軍事オプションなのかどうか」という。
実は、日本時間の今日(7日)未明に開かれた国連安保理で、米のヘイリー大使が「軍事力を使わざるを得なければ使う」と発言。中国の劉大使が「軍事手段は選択肢であってはならない」と応酬していた。
小倉「北にしてみれば、ICBMで同レベルになったんだから、対話で有利な状況を引き出そうというんだと思うが、そううまくいくかどうか。心配です」
同レベルといっても、運搬車両は中国製、電子機器の部品、パーツは秋葉原かもしれない。車も携帯電話も自力で作れない国がねえ。