昨年(2017年)4月~6月期に放送された日曜ドラマ「ゆとりですがなにか」がスペシャル版として復活。レギュラーメンバー総出演で、「ゆとり」たちの1年後の成長だったり、後退だったりが描かれた。脚本は宮藤官九郎。宮藤はこのドラマで「2016年度芸術選奨 放送部門 文部科学大臣賞」を受賞。そのお祝いを兼ねたご祝儀ドラマといったところか。
「ゆとり~」は、正和(岡田将生)、山路(松坂桃李)、まりぶ(柳楽優弥)、3人の"ゆとり第1世代"の若者たちの友情や恋愛、仕事を描いたコメディタッチのドラマで、最終回は正和と宮下茜(安藤サクラ)の結婚式で終わった。
あれから1年。家業の坂間酒造を継ぐため、会社を辞めた正和だったが、その酒蔵がオリンピックに向けた再開発で立ち退きを迫られることに。3億5千万円という好条件に、家族は乗り気。ウォーターフロントの高層マンションを見学するという浮かれっぷり。
正和は繁忙期以外に仕事を探して人材派遣会社に登録。妻の茜は妊娠しているようだが、正和はおろか、坂間家の全員が気づいていないという間抜けっぷり。リアル妊婦の安藤サクラが妊婦というのが面白いが、坂間家に馴染めているのか、ちょっと気になった。
就活を始めたものの、なかなか決まらない正和、学年主任になったものの、どこかやる気を失くしている山路。2人が居酒屋「鳥の民」で待ち合わせ、そこには山岸(太賀)にOB訪問中のまりぶの姿が......。「とくに努力もしねえで入れる大学入ってさ、入れる会社に就職してさ、社長になれるわけねえどころか、社長に顔も覚えてもらえねえ末端社員でもモチベーションは保てるものなの?」いかにもまりぶらしい発言だが、OB訪問でそれを言っちゃあ......。11浪でやっとこさ大学に入って、妻子持ちのまりぶがOB訪問してるっていうだけで、面白いわけだが。1年ぶりに再会した「ゆとり」3人、それぞれに悩みを抱えているようで――。
今回、蒼井優が新キャストで加わるというから、どこで出てくるのかと思ったら、最後の最後、小学校を辞めた山路が地元・郡山に帰ったところ、ホームセンターで働く女性が中学の同級生・笠木久美(蒼井優)だった、というかたちで登場。前編はあくまでも肩慣らしで、物語が動くのは後編からのよう。
前・後編なので、9日放送の後編が楽しみ。今回のスペシャルに連動し、ゆとりモンスター山岸を主演にしたスピンオフドラマ「山岸ですがなにか」(7月2日~23日毎週日曜配信 15分×全4話)がHulu配信されているので、そちらも併せてぜひ。
(前編7月2日 後編7月9日 よる10時30分~)
くろうさぎ