「都民ファーストの会」の圧勝で一夜明けた3日(2017年7月)、代表を務める小池都知事が代表の辞任を表明し、波紋が広がっている。
小池知事が会見で「知事に専念する形で代表は野田数(かずさ)幹事長に戻していきたい」と語ったのだが、代表就任してわずか1カ月での辞任に、無責任という批判から妥当な辞任という声までまちまちだ。
流通経済大学の龍崎孝教授(元TBS政治部長)がゲスト出演し、一体どこに問題があるのか探った。
「ビビット」が街でアンケートを取ったところ、「なぜ辞任したのかわからない」「妥当な選択であり構わない」が各25%、「無責任」10%、「選挙に勝ちたかっただけ」3%だった。
龍崎教授は「二元代表制を考えると、知事と議会の代表のトップは相いれない。辞任は当然だと思う。本当は、選挙前に代表に就任したことに選挙目的だと批判されるべき話だった」と話す。
小池知事のための政党
むしろ今回の「都民ファーストの会」圧勝で、疑問に思ってほしいこととして龍崎教授は次のような指摘をしている。
「『都民ファーストの会』の役員は小池さんと野田さんしかいない。都議会で55議席を獲得した政党の幹部がいないなかで決めていくことは結局、小池さんのための政党じゃないかとの批判は免れないことが最初から明らかになってしまった」
「しかも、辞任しても水面下では小池さんがいろんなことを決めていくし、小池さんでなければ決められない。二元代表制を避けると口ではおっしゃっても水面下では同じじゃないですかと言われても仕方がない」
しかも今回「都民ファーストの会」で当選した55人のほとんどは新人の素人ばかり。2014年の衆院選で当選した自民党の「魔の2回生」のようにスキャンダルが出てくる可能性もある。
千原ジュニアがこんな感想を。「スキャンダルが出たとき、代表じゃないから(責任取らなくていい)という意味もあるかなと...」。これに龍崎教授も「おっしゃる通り。野田さんか新しく幹事長になる人が責任を取ることになる。小池さん自身は傷がつかない」。
小池知事は3日、『国民ファースト』という意味ありげな言葉を口にしたが、勢いをかっていずれ国政に進出するにしても、小池商店ではなくきちっとした組織にしないといずれ行き詰ってしまう。