ダッカ事件から1年 「日本人は安全」神話は崩壊、進出企業は実戦的な訓練でテロに備え

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ISがアジアへ

   日本エネルギー経済研究所の保坂修司さんは、日本人が標的になる可能性を指摘する。シリア、イラクの本拠地で弱体化したISがアジアや欧州でのテロを呼びかけている。「ISフィリピン」と名乗っていた過激派組織は「ISアジア」と名前を変えた。「ISは日本人がイスラムを攻撃していると正当化するだろう」と危惧を語る。

   この1年、世界で起きたテロは主なものだけで150件。過激思想は拡散し、アジアのリスクが高まっている。

   海外に長期滞在する日本人は130万人という。ダッカ事件以来、外務省とJICA(国際協力機構)の報告書は「もはや日本人だから安全とは限らない」としている。時代はすでに変わった。

   バングラデシュには253社の800人余りが滞在するが、企業名を隠すところも出始めた。3年前に進出した中堅釣り具メーカーは、独自に元軍人を雇い、24時間態勢で警備を強めた。現地の責任者は「一時帰国や閉鎖も考えたが、対策をとってつづける判断をした。つつましく、厳かに職務を全うすることを念頭にやっていく」と話す。

   中には日本人社員に極力外出せず、買い物は現地人に頼んで、外食もしないようにうながす進出企業もあるという。

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