東京都議会議員選挙の自民党惨敗をめぐって、人名の頭文字をもじった「THIS is 敗因」という分析が話題を呼んでいる。元閣僚経験者が語ったのを朝日新聞(2017年7月3日付朝刊)が掲載したが、「うまいなー」と司会の羽鳥慎一も感心する。この元凶4人とは、もう有名すぎる安倍政権の幹部や議員だ。
Tは豊田真由子衆院議員。年上の秘書に「ちーがーうーだろう」「このハゲ―」などと絶叫し、赤ちゃん言葉で侮辱、暴力行為もしたことが6月後半の2週続けて週刊誌を飾った。自民党を離党したが、それですむわけがない。
Hは萩生田光一官房副長官。加計学園の獣医学部開設を指示した文書の疑惑が浮上した。本人が否定しても、怪しげなイメージはいっこうに払しょくされない。
Iは稲田朋美防衛大臣。都議選も終盤の応援演説で「自衛隊も自民党候補を支持する」と言い切った。政権のおごりや公私混同の代表的発言とうけとられ、それでも辞任の気配さえ見せない。
Sは下村博文党都連会長。文科大臣在任中に加計学園の秘書室長から現金200万円を受け取ったと報じられた。
青木理(ジャーナリスト)「共通するのは、どれも違法行為で、安倍首相の側近ということです」
テレビ朝日政治部の細川隆三デスクは「このハゲ―発言がとくに大きかった。こんな自民党には投票しませんといわれたそうです」
菅野朋子(弁護士)「小学生までがこの言葉を使っています」
羽鳥「問題の深さは他の3人ですけど、わかりやすい暴言でした」
プラスAは安倍首相自身
さらに「THISプラスA」というのもある。Aは安倍首相自身で、秋葉原の街頭演説で聴衆にやじられ「こんな人たちに自民党は負けません」とやり返したが、結局負けた。
どれも一強独走政権のおごり、高ぶりととられた。選挙が終わったからといって漠然とした「反省」で済ますのではなく、一つ一つをきっちりと具体的に追及し、取り巻き4人と安倍首相にそれぞれ責任をとってもらわないといけない。