公式戦最多連勝記録の中学生プロ棋士、藤井聡太四段(14)が敗れた。竜王戦の挑戦者を決める決勝トーナメントが2日(2017年7月)行われ、佐々木勇気五段(22)に敗れた。公式戦初の黒星を喫し、連勝記録は29で止まった。
佐々木五段に王手を指され、お茶を一口飲んだ後「負けました」と頭を下げた藤井四段は「機敏に動かれてしまって勝負どころがなく、負かされてしまった」と悔しさをにじませた。
一方、佐々木五段は「私たちの世代を乗り越えられてしまうと、私たちが波に飲み込まれてしまう感じがしたので立ちはだかるという感じで臨もうと思った。積極的に勝ちに行きました」とホッとした様子。
「感動の棋譜を」と加藤九段
藤井四段に公式デビュー戦で負けて以来、藤井四段を応援し38連勝ぐらい行くと予想していた加藤一二三九段(77)「藤井四段の実力は中学生にしてすでに本物です。この先、勝ち星も敗戦もそのすべてをご自身の力に変えて、人々の心に感動を与える棋譜を数多く紡いでほしい」とエールを贈った。
司会の国分太一は「ここから藤井四段は強くなるのかな?」に、真矢ミキキャスターが「夢は先に延ばしていいんじゃないですか。14歳ですべてを手にしたらもったいない」。
竜王戦は敗れたが、6日には名人戦に繋がる『順位戦・C級2組』の対局がある。今年度内のタイトル戦挑戦の目は残っている。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト