子離れの適齢期はいつ? 「卒母宣言」したマンガ家・西原理恵子さんに聞く

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就職では「親確」

   こうした「卒母」を阻むさまざまな壁が最近の親子にはあるというのが、番組の問題意識だ。

   子の就職に積極的に関わる親が増えている。内定通知を出していいか、親から確認をとる人材会社がある。これを「親確」という。ここ数年、親に引きとめられて辞退する学生が少なくないためだ。

   「親婚活」の言葉もある。今月、都内で開かれた婚活イベント、30代や40代の子を持つ親同士が会って相手を探す。男の4人に1人、女の7人に1人が生涯独身の時代に「私たちが生きている間になんとか」という親の集まりだ。4年前は月に一度だったが、今はほぼ毎週開かれるそうだ。

   親が子に依存する面もある。50代の母親は「子どもを守ってやりたい、見てやりたい。依存しすぎと思うがやめられない」と話した。

「西原さんは子の将来に不安を感じませんか」と武田キャスターが聞く。西原さんは「ドアはいつでも開いている。困ったら帰ってきてちょうだい。それぐらいかな」

   社会学者の山田昌弘さんは「50年前は子が親に仕送りするのは当たり前でした。いまは自立したくても、非正規や何かで、できない子が増えた。親のサポートがないとまともに生活できません」と分析する。子が親に反抗しなくなった、親が子といっしょになって楽しむようにもなったという文化的要因もあるという。

   高度成長時代の1960年代は「教育ママ」が子どもを有名大学・企業に入れようと懸命だった。90年代は「一卵性母娘」といわれてブランドやグルメを楽しむ姿があり、その後は「パラサイトシングル」が給料をもらっても実家を離れずに楽しんでいたかと思えば、経済力がないために独立できない状態に変わった。

   このごろでは子どもに過剰に干渉してやめられない「毒親」が横行する。「自分が子に必要とされたい気持ちが強くて卒親できなくなっている」と、山田さんは指摘する。

   武田キャスター「卒母ライフはどうなるのですか」

   西原さん「人生のハッピーアワーです。私は私で幸せになります」

   武田キャスター「子どもに最後にできることは手を離してやることだと思いました」

   どこで手を離すのか・離せるのかは、親子関係永遠のテーマだ。人それぞれに考えなければならないが、西原さんの生き方は「毒親」時代のツボを間違いなく突いている。この共感、さらに広がるかもしれない。

クローズアップ現代+(2017年6月26日放送「"卒母"宣言 子離れできますか」)

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