自民党の豊田真由子衆院議員が秘書(当時)に対する暴言・暴行を暴露されて、きのう22日(2017年11月)に離党した。東京大卒業、元厚生労働省官僚、ハーバード大学院卒のエリートから政界に転じた安倍チルドレンのひとりだが、いや、その罵声の凄まじいこと。さすがの永田町も口をあんぐりだ。離党届に、安倍首相も「やむをえない」と言ったらしい。
「この、ハゲー!」「お前が受けた痛みがなんだ!」「私が受けた痛みがどのくらいか分かるか、コノヤロー!」「これ以上私の評判を下げるな!」
週刊新潮(6月29日号)が伝えたパワハラの中身は、追いかけて生の音声も公開された。録音されたのは5月20日で、秘書が運転する車の後部座席から「バカかお前は!お前頭がおかしいよ」と罵声をあびせ、秘書の左肩と側頭部を拳で何度も叩いたという。
支持者に送ったバースデーカードの名前と宛先を秘書が間違ったため、暴力を受けた。秘書は「人間性を疑う。この人は異常だなという感じはあった」という。普段から、つねられたり、パンプスで蹴られたり、ハンガーで殴られたりもあったという。顔面打撲傷、左背部打撲傷などの診断を受けた。
全身ピンクのモンスター
豊田議員は2012年の総選挙で埼玉4区から当選し、現在2期目だ。15年の第3次安倍改造内閣では文科政務官に抜擢された。永田町ではピンクモンスターの異名もある。着ているスーツも、看板も、ポスターの文字も、新座市の地元事務所の装飾もピンク一色である。
モンスターと呼ばれるのは、園遊会に同伴できない母親を連れて行って警備ともめたり、秘書がパワハラで頻繁に変わることからだ。
豊田議員は心身症で入院したという。自民党内には、都議選への影響を懸念する声もある。民進党の蓮舫代表は「また魔の2回生」という。金銭トラブルの武藤貴也議員(離党)、不倫の宮崎謙介議員(議員辞職)、被災地おんぶ視察の務台俊介議員(政務官辞任)、重婚の中川俊直議員(離党)らも、豊田議員と同じ当選2回の安倍チルドレンだ。
選挙で続々当選した安倍チルドレン
司会の小倉智昭「安倍さんにも痛手でしょう」
時事通信特別解説委員の田崎史郎氏は「頑張る子だと、目上の議員からは評価がいいんです。ただ、秘書がいつかないのはおかしいなと、評価に落差がありましたね」
中瀬ゆかり(新潮社出版部長)「虐待ですよ。きのうきょうのことではない感じがします」
田崎氏「安倍チルドレンは119人いましたが、2度目で19人しか落ちなかったんです」
安倍首相は与党が国会議席の3分の2を占めているうちにと改憲に前のめりだが、3分の2の中にはこうした困った議員たちも多くいるということだろう。