読売の「出会い系」報道に読者から批判
週刊文春は、前川前次官の「出会い系の店通い」を報じた読売新聞が、読者からの厳しい批判にさらされ、記事当日から1週間分の意見がまとめられた内部資料「東京・読者センター週報」を手に入れたという。
それには東京・大阪・西部3本社に寄せられた読者の意見を紹介したもので、加計学園と前川前次官関連は594件。北朝鮮問題が61件だから、その多さがわかるはずだ。
そのうち9割近くが批判的な意見だという。しかもこの記事は、現役の読売の記者にいわせると、白石興二郎会長が社長の時、第三者機関で事前に記事を審査するシステム「適正報道委員会」を作ったが、そこを通していないというのである。
官邸のリークの疑いがあり、買春の裏も取れていない、前川本人の話も聞けていないのでは、通さなかったのではなく、通せないからスルーしてしまったということであろう。
だが、この記事を読んで、匿名で内部を批判する記者はいるが、堂々と名前を出して批判する、こんな社は辞めてやるという記者がなぜ出てこないのだろう。
今一度、本田靖春が正力社主の新聞私物化に対して声を上げ、社を辞した理由をあげておく。
「自分が現に関わっている身内的問題について、言論の自由を行使できない人間が、社会ないし国家の重大問題について、主張すべきことをしっかり主張できるか」(『我、拗ね者として生涯を閉ず』より)