小池都知事、都議選対策で玉虫色の折衷案 「築地は守る、豊洲は生かす」

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   「築地は守る、豊洲は生かす」。10カ月前に移転を延期しながら豊洲か築地かで迷走状態にあった豊洲への移転問題。小池都知事が20日(2017年6月)午後、急きょ記者会見し、出した答えは新旧市場の折衷案だった。

   しかし、豊洲移転の時期など具体的な内容はなく生煮えのまま。小池知事が急きょ答えを出した裏には都知事選対策があったようだ。

   折衷案によると、築地市場は跡地をいったん東京五輪用の輸送拠点に使い、売却せずに5年後をメドに築地のブランド力と地域の魅力を一体化させた食のワンダーランドとして再開発する。

   さらに競りもできる市場機能を確保し、豊洲に移転した業者が戻れるよう環境を整備するという。

   一方、豊洲市場へは土壌汚染対策の追加工事を行った後に移転し、さらに冷凍冷蔵加工などの機能を強化し、総合物流センターを付加した中央卸売市場にするとしている。

「2つの市場あり得ない」と伊藤会長

   この豊洲と築地市場の両立について東京都水産物卸売業者協会の伊藤裕康会長は「さっぱりわからない。市場というのは卸・仲卸・買参・その他の方々が一堂に会してモノを1カ所に集めて評価し販売する機能。2つの市場というのはあり得ない」と批判した。

   また、小池知事が強調した築地ブランドについて豊洲に移転を決めた寿司店店主は「築地ブランドを残すというが、豊洲をどうしていくのか。豊洲ブランドを作っていきましょうと言ってもらわないと、うちらゴミ捨て場に捨てられるみたいな感覚だ」と苦言を呈した。

   では、生煮えのまま急きょ折衷案を出した小池知事の狙いとは何だったのか? ゲスト出演した政治評論家の有馬晴海氏は「安倍内閣の支持率低下を見て今がチャンスとかぶせてきたのではないか。都知事選の告示を控えて『決められない知事』と批判されるのが嫌で両論併記の玉虫色の判断をした」と見ている。

   会見時間は30分、うち小池知事が25、26分間を費やし説明。記者との質疑応答はわずか4分間で知事側が一方的に打ち切った。有馬によると、「私が聞いたのは、もう少し早めに会見を始める予定だった。それを知事側が3時半開始にし、30分間と設定した。質問させないというのはあったようですね」という。

   支持率低下という機に乗じた小池知事。堀尾正明(前TBS「Nスタ」キャスター)が「日本では白黒はっきりさせるよりも二つの良いとこ取りした折衷の考え方が好まれる。二兎を追うもの一兎も得ずになるのか一石二鳥になるのか、モヤモヤですね」。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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