神戸・ポートアイランドに上陸した南米原産の小さな殺人鬼「ヒアリ」。上路雪江リポーターが20日(2017年6月)、ヒアリが上陸した現地を訪れ、神戸市の駆除対策を伝えた。
「兵庫県立人と自然の博物館」の橋本佳明主任研究員によると、「世界機関が絶対に入れてはいけない100種類の生物のナンバー1に選んでいる。シン・ゴジラがポートアイランドに上陸した感じだ」と危機感を募らせる。
貨物船で中国から輸送され陸揚げされたコンテナから抜け出たヒアリが、数百メートル離れたコンクリートの亀裂内で生息しているのが確認され、100匹ほどが駆除された。以来、神戸市では捕獲用のワナを置き駆除対策を行っているが、まだ肝心の女王アリは見つかっていないようだ。
市危機管理室の小塚満幹課長は「完全に駆除したとは言い切れないところがあるので、なんとしても居住区域に入る水際で対策を行っている」という。
アメリカでは年間100人の死者
ヒアリは、いったん上陸を許すと繁殖力が強く駆除が追い付かない。上陸を許したアメリカではヒアリに刺され、年間約100人の死者が出ているという。そこでヒアリの上陸を許して14年がたつ台湾を取材した。
台湾で初めてヒアリが確認されたのは2003年。アメリカからの航空貨物のコンテナに付着した土に潜んでいたらしい。空港周辺の土壌に生息し広がっていった。このため04年から「ヒアリ防除センター」を設け、年間1億円の費用を掛け駆除を続けているが、現在では台湾北部から中部にかけて生息が確認されているという。
空き地の土を棒で掘ると数百匹のヒアリがワーッと湧き出てくる。地元の住民は「ヒアリの通報はいつまでたっても止まらない。住宅街や工場敷地にも現れ、駆除してもイタチごっこだ」と嘆く。
司会の国分太一は「女王アリがまだ見つかっていないのは嫌ですね」といぶかった。