懸案の築地市場移転問題で昨日20日(2017年6月)、小池都知事が会見して、「豊洲への移転」「五輪後に築地を再開発」という基本プランを明らかにした。ただ、具体的な活用案は今後詰めるとしている。知事はこの問題を都議選のテーマにしたいようだが、果たしてこれで票になるのかどうか。
知事が示したプランは、1)豊洲は総合物流拠点とする 2)築地は5年後をめどに「食のテーマパーク」など再開発する 3)具体的な活用案は今後、事業者・都民と広く検討する、というものだ。
つまり、「築地は守る。豊洲を活かす」。築地は五輪までに更地にし、2号線道路を通す。その後、築地は再開発--だが知事は、「豊洲移転」とは言わなかった。実際は豊洲へ市場機能を移すにしても、築地の当事者が依然、賛成・反対に分かれている。
確かに築地の人気は高く、ブランド化もしている。日の入場者4万2000人、CNNが選ぶ「世界の生鮮市場ベスト10」の2位(1位はどこだ?)。観光客のスポットでもある。ここから動きたくないという人たちもいる。
さらに費用の問題がある。豊洲移転に6000億円かかる。うち4400億円は、築地の跡地を売却して捻出する予定だったのだが、これを売らないとなると、どこかで捻出しないといけない。
関係者、政党から賛否両論
「とくダネ」が声をまとめた。まずは反対意見。「失敗する。築地ブランドも豊洲も全部なくなる」(築地・仲卸)、「限りなき折衷案。現実的に無理」(築地・仲卸)、「土壌汚染の懸念から、一時的な移転でも反対」(場内カレー店)。対して「推進」は築地市場協会の伊藤裕康会長。「バランスのとれた案だ」
政党関係は、「コスト面の説明を」(自民党・下村博文都連会長)、「どちらにもいい顔をしたいという結論」(都議会のドン、内田茂都議)、「築地の食文化を残すのは評価。安全面ではチェックが必要」(民進党・松原仁都連会長)。
そして「正直言ってやれやれという気持ち」(五輪組織委・森喜朗会長)というのは、道路が通ることになって、やれやれということらしい。
司会の小倉智昭「築地に食のテーマパークということは、デパートの地下みたいな店がブワーッとある。銀座から反対が来るだろうね」(笑)
これが都議選にどう作用するかはわからない。ただ、朝日新聞の世論調査での政党支持は、4月の自民31%、都民ファースト20%から、今は27%vs27%で並んでいるんだそうだ。
時事通信の田崎史郎氏は、「知事の発表に具体性がないので、選挙民も迷うのではないか」
デーブ・スペクター「豊洲を丸ごとアマゾンに売るという話もある」