最年少のプロ棋士・藤井聡太四段(14)がおととい17日(2017年6月)、現役東大生のトップアマ・藤岡隼太さん(19)を破って公式戦連勝記録28に王手をかけた。この27勝目の対局を観戦した東大将棋部員たちは、藤井四段の強さに改めて感心していた。
対局が行われたのはプロ150人と10人のアマ棋士による朝日杯将棋オープン戦。会場の関西将棋会館には大勢のファンにまじって将棋好きの桂文枝さんも「私が阪神タイガースを応援に行くと負けるので、家族から反対されたのですが」と言いながら駆けつけた。
藤岡さんは小学6年から中学2年までプロ棋士をめざす奨励会に所属し、今年東大将棋部に入った。5月の学生名人戦で優勝した実力者だ。将棋部仲間の話では「1、2週間前は藤井四段には勝てないと言っていたが、この1週間はどうすれば勝てるか考えて、前向きになっていた」「研究してチャンスをうかがっていた」という。
午後2時から始まった対局は、藤岡さんはまず「雁木」という作戦をとり、銀と金で王将をかこんで守りを固めた。東大将棋部仲間4人は25手目の6五歩で攻めに転じようとしたのがポイントと見た。ここから藤井四段が2分考えてから一気に反撃し、106手で藤岡さんが投了した。「鋭いなと思いました」「藤井四段の力が上回って、ねじふせられた展開でした」「圧倒的強さが出た一局」と東大生たちも驚いていた。
司会の加藤浩次「僕なんか、なんで25手目がポイントなのかもわからない。すごいですね」
21日に歴代タイ記録に挑戦
藤岡さんは「藤井四段に畏敬の念というか、尊敬します」と謙虚に話した。
藤井四段は「負けられない気持ちはあった。意識しすぎると空振りするので自然体でやりました。次局も気負わず、自然体で臨みたい」という。歴代タイ記録がかかる対局は21日の予定だ。