加計学園の獣医学部新設をめぐる文書はやはりあった。松野博一・文部科学相はきのう15日(2017年6月)に会見して、「民進党などから提示された19の文書のうち14の同内容の文書を確認したが、2つは確認できなかった」と述べた。「これは総理のご意向だと聞いている」「官邸の最高レベルが言っている」という記述があるものも含まれていた。
文科相は「見つからない」と言っていたことを陳謝し、文科省が「官邸からの圧力」を感じていたことを認めた。
「怪文書」発言の菅官房長官は開き直り
文科省は今回は26人からヒアリングし、共有フォルダと個人フォルダを調べた結果だったという。これを受けて、内閣府はあわてて内部調査をすると発表した。これらの文書を「怪文書だ」と言って無視しようとしていた菅義偉・官房長官は、「怪文書という言葉だけが独り歩きしている。極めて残念」と、再調査結果も無視する構えだ。
司会の小倉智昭「官房長官ってすごいもんですね。『怪文書という言葉が独り歩きしている』と。これ、ご自分でおっしゃったんですよ」
小倉に比べて、総理官邸の記者たちのなんとおとなしいことか。「ご自分の発言じゃないですか」と追及しない。あの鋭い質問をしつづけた東京新聞の女性記者はいなかったのか。
小倉「内閣府の調査って、1日でできるようなことだったんですか」
伊藤惇夫氏(政治アナリスト)「やろうと思えばできる話です。ターゲットは藤原豊・審議官一人ですからね。とはいえ、やっぱり否定するでしょう」
小倉「文科省のことでも、『官邸の最高レベル』『総理のご意向』で検索したら、200万ファイルからすっと出てきた。だったらもっと早く検索しろよって話でしょ」
たった1日の集中審議で逃げ切り狙う安倍首相
問題は「官邸の意向」だが、獣医学部新設の選定条件の記述に手書きで加筆したものがあった。「(広域的に)獣医学部系養成大学等の(存在し)ない地域に(限り)」(カッコ内が加筆部分)とあり、この加筆で応募資格から京都産業大学が外れた。
加筆は官邸の萩生田光一・官房副長官の指示によると、文科省のメールにあった。萩生田氏は加計学園の系列校の名誉客員教授でもある。萩生田氏は加筆を否定している。
小倉「これ、忖度なんてもんじゃないですね」
伊藤氏「ここが一番のポイント。メールが11月1日、書き込みはそれよりちょっと前。戦略特区の諮問会議でこの文言通りに決まったのが、11月9日なんです。つまり、諮問会議で結論を出したんじゃなくて、それより前にこの案文ができていた。内閣府、あるいはもっと後ろの意向が働いていたとも取れます」
小倉「内閣府から、加計学園にしなさいと言ってるようなもの」
伊藤「意向ということだと、言った言わないとなるが、これは明らかな意図があったという証拠ですから」
小倉「集中審議はきょう1日だけですか」
伊藤「国会閉まりますから・・・」
安倍内閣はひたすら逃げ切り・ウヤムヤ作戦のようだ。